神奈川がんばる企業 初の認定に綾瀬から2社 ワイ・ケー電子と松村鋼機 綾瀬市

認定証を手にする井上社長(右)と斉藤さん

 市内大上の「(株)ワイ・ケー電子」(井上幸雄代表取締役)と、吉岡東の「松村鋼機(株)」(松村朗代表取締役)が、県が今年度初めて創設した「神奈川がんばる企業」に認定された。選ばれた企業は今後、広報紙やホームページなどを通じて県が情報発信を行っていく。

 これは、中小企業・小規模企業の社会的認知度と従業員のモチベーション向上のための新事業。独自の工夫で年率3%以上の付加価値額及び年率1%以上の経常利益増を実現させた企業が「がんばる企業」に、この中からビジネスモデルの独創性や地域貢献度等が特に優れていると認められた企業が「がんばる企業エース」に認定される。

新工場で地域貢献と新たな商機獲得へ

 ワイ・ケー電子は、電子機器に使われるプリント配線基板の設計・製造を行う会社。昨年4月に地域に開かれた新工場を設立し、この取り組みが評価された。

 新工場は1階フロアを貸しスペースとして利用することができる。開設以来、習い事の教室や集会など多くの市民に活用され、地域とものづくり企業を結ぶ役割を担っている。

 また、この工場がきっかけとなり受注も増加。体験型デジタルアートやプロジェクションマッピングなど、新たな分野への仕事を開拓している。「本当はエース認定をもらいたかった。また挑戦したい」と井上社長は意欲を覗かせる。

工業製品で独自のステーショナリーブランド

 松村鋼機は、バネや止め輪など自動車部品の製造を主にしている。同社の強みである「コイルドウェーブスプリング」というバネのフォルムを活かしたステーショナリーグッズの独自ブランド「Wave Clips」を開発した。

 これがNHK番組を通し大手カー用品店の目に止まり、コラボ商品としてパッケージ化に。また、独自に台座を付け東京美術館ミュージアムショップやインターコンチネンタルホテルで販売しているものも、土産物として手に取られるなど新たな収益モデルになった。

 「いいものを作るだけではダメで、販売にはストーリー付けが必要だと学べた」と担当の斉藤出さんは話す。同社ではこのほど、ウェーブクリップシリーズ第2弾の「マネークリップ」を製作し、新たな市場開拓を目指していく。

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