2人の新助っ投が10年ぶりVの鍵握る? 西武の2018年助っ人陣容をチェック

ブルージェイズでもメジャー登板経験のあるワグナー【写真:Getty Images】

昨季在籍した4投手が退団し、ワグナー、カスティーヨが加入

 2017年は4年ぶりのAクラスとなるパ・リーグ2位に食い込んだ西武。7月下旬から8月にかけて怒涛の13連勝をマークするなど、ラストスパートに成功して失速した楽天を逆転し、辻発彦監督就任初年度は2位となった。だが、クライマックスシリーズでは楽天に敗れ、ファーストステージで姿を消した。

 菊池雄星が最多勝と最優秀防御率の2冠に輝き、ルーキーの源田壮亮が遊撃手の定位置を掴んで新人王も獲得。後半戦には山川穂高も覚醒し、チームの核を担う選手が確実に育ってきていることを感じさせる2017年だった。

 その一方で、助っ人に関しては期待外れに終わった。ウルフが先発ローテの一角を担って9勝を挙げ、シュリッターもセットアッパーとして一定の成績を残した。だが、キャンデラリオ、ファイフと2人の先発投手は結果を残せず。中継ぎのガルセスも目立った活躍は出来ず、メヒアも来日後最低の成績に終わった。

 キャンデラリオ、ファイフ、ガルセスは昨季限りで退団。シュリッターもチームを離れることとなった。さらにオフには野上亮磨投手がFAで巨人へ移籍し、牧田和久はポスティングシステムを利用してパドレスへ。2位になりながらも、選手の出入りが激しいオフとなった。

 野上の人的補償として高木勇人を獲得し、ニール・ワグナー投手、ファビオ・カスティーヨ投手を補強。現状で助っ人は、この2人に加えてウルフ、郭俊麟、メヒアと投手4人、野手1人の顔ぶれとなっている。若手選手が育ち、徐々に選手層に厚みが出てきている西武にとって、外国人選手の働きが2008年以来の優勝を狙うチームの浮沈の鍵を握っているとも言える。キャンプインまであと半月ほど。ここではそんな西武の2018年の助っ人陣容をおさらいしてみよう。

ワグナーはメジャー通算52試合登板、カスティーヨは2017年にメジャーデビュー

○新加入
ニール・ワグナー投手
2017(レイズ、メッツ傘下3A)40試合2勝1敗3セーブ、防御率2.48
MLB通算52試合2勝4敗0セーブ、防御率4.92
3A通算178試合10勝7敗28セーブ 防御率3.74
 2011年にアスレチックスでメジャーデビューを果たして6試合に投げると、2013年にはブルージェイズで36試合に登板した。2014年も10試合に投げたが、2015年以降はメジャー登板はなし。メジャーでの登板は全てリリーフ。マイナーでも先発は1試合しかなく、西武でも中継ぎ起用が見込まれる。真っ直ぐは150キロ前後で、フォークを武器としている。

ファビオ・カスティーヨ投手
2017(ドジャース)2試合0勝0敗0セーブ 防御率13.50
2017(3A)22試合4勝8敗1セーブ 防御率4.27
MLB通算2試合0勝0敗0セーブ 防御率13.50
3A通算111試合16勝21敗4セーブ 防御率4.63
 ドミニカ出身の右腕で、2005年にレンジャーズ傘下でプロとしてのキャリアをスタートさせた。ジャイアンツ傘下、オリオールズ傘下、パドレス傘下などを渡り歩き、ドジャーズで2017年にメジャーデビューを果たした。185センチの長身から投げ下ろされるストレートは150キロ台中盤をマークするといい、先発の一角を担うことを期待されている。

○残留
ブライアン・ウルフ投手
2017:23試合9勝4敗0セーブ0ホールド 防御率3.73
NPB通算(8年)153試合52勝36敗3セーブ8ホールド 防御率3.31
 2010年に日本ハムに加入し、来日9年目を迎える右腕。ソフトバンク時代の2014年にトミージョン手術を受けたこともあり、2桁勝利は2011年の12勝、2012年の10勝の2年だけだが、昨季は復活を感じさせる9勝をマークした。シーズン終盤は不振に陥ったものの、2018年もローテの一角を担うことになるだろう。

郭俊麟投手
2017年:1軍登板なし
NPB通算(3年)33試合3勝10敗0セーブ0ホールド 防御率6.00
 台湾の国立台湾体育運動大学から2015年に西武入りした右腕。1年目から21試合に登板し、うち17試合に先発。2016年は12試合に登板したが、チャイニーズ・タイペイ代表としてWBCに出場して迎えた2017年は1軍登板はおろか、不調を訴えて2軍での登板もなかった。今季は登録名を日本語読みの「かく・しゅんりん」から台湾読みの「クォ・ジュンリン」に、背番号を「12」から「69」に変更して臨む。

エルネスト・メヒア内野手
2017:113試合345打数83安打19本塁打53打点 .241
NPB通算(4年)491試合1725打数438安打115本塁打318打点 .254
 2014年シーズン中にブレーブスから西武に入団すると、106試合の出場ながら34本塁打を放ち、本塁打王を獲得。2015年は27本塁打、2016年はキャリア最多となる35本塁打を放ち、103打点もマークした。だが、昨季は不振に陥り、2軍降格もあった。山川の急成長もあって、シーズン終盤も代打に甘んじることが多く、来日後最低の19本塁打に終わった。

(Full-Count編集部)

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