【きらり女性・信越地区の鉄鋼関連企業】〈近藤與助工業新潟本店鉄鋼営業・伊藤有真氏〉 〝会社のブランド〟背負う

 近藤與助工業(社長・近藤雄介氏)新潟本店の伊藤有真氏は入社2年目の営業。

 新潟のまちづくりにあこがれていたという伊藤氏。「鋼材営業は女性でもやる気と気力があればできる」と言い切るガッツの持ち主だ。

 一度別な分野の内定を辞退し、就職活動を再開した経緯がある。「見えないところで色々な人が関わり建築、道路などができる。その過程に携わりたいという気持ちをあきらめきれなかった」という初心を大事にする。

 入社から数カ月工場の研修などを経て建材、土木資材を扱う鉄鋼二部に所属。来春には直接担当を受け持ち営業として一人立ちする。

 大学時代の専攻は鉄鋼とは関連なく「何も知識がないところからスタートだった。先輩と同行営業した際は専門用語が分からなかったが1つの工事物件を任されお客様と一対一で話すようになってから、言葉の意味、仕事の流れが分かり始めた」という。

 「自分の前にある、140年の歴史がある会社のブランドを汚さないように」との想いで責任感を持って交渉に臨む。

 「職場の良さは上司と部下の距離感が近い。分からないことをすぐに聞ける。先輩、上司も困りごとがないか声を掛けてくれる」。今年入社の後輩(女性営業)は互いに気にかけ、フォローし合える心強い味方だ。

 現場がタイトな時は休日出勤もいとわない。休日のオンオフは得意。同社は代休取得を徹底しており、福利厚生は次世代を見据えた取り組みと位置付ける。 

 これまで女性鋼材営業の前例がなく、職場も現場も始めこそ手探りの部分もあったそうが、しばらくして男性と同じ目線の接し方に戻った。作業服で営業に行くと「注文が増えた気がする」と伊藤氏。現場で女性作業者を見かけると、親近感がわくという。

上司から

 ▽涌井豊取締役鉄鋼二部長=「営業に飛び込む勇気があると同時に教わる雰囲気作りができている。日ごろのアンテナの張り方、興味の持ち方で努力している証。来年は個人として真価が問われる時期になる」

今後の抱負

 「これまでは上司から預けられた物件を+αのところから組み立ててきた。これからは直接担当を持つ。色々な風土の企業とどう向き合っていくか自分の中で落とし込んで考えていきたい」

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