「リンテックス」の完全子会社化、トピー工業が株式取得決定 新日鉄住金から2月に

 トピー工業(社長・高松信彦氏)は15日開催の取締役会で、自動車用スチールホイールなどを生産・販売するリンテックス(本社・岡山県倉敷市)の全株式を新日鉄住金から取得することを決めたと発表した。同日付で株式の譲渡契約を結び、2月15日に譲渡を実行する予定。取得額は非開示とした。スチールホイールの国内市場が縮小する中、トピー工業はリンテックスの完全子会社化により両社の技術力や人材などを結集し、国内外で事業基盤を強化する。トピー工業は昨年3月、リンテックスの完全子会社化の検討を開始すると発表していた。

 リンテックスは1952年の設立で、99年に住友金属工業が完全子会社化した。乗用車用スチールホイールを主力とし、国内では岡山(倉敷市)と太田(群馬県)に工場があり、海外では中国・広州に生産拠点を有する。2017年3月期の連結売上高は99億4900万円。

 自動車用スチールホイールの国内市場は16年度で推定1600万本。アルミホイール化などの影響で市場は縮小傾向にある。

 トピー工業は国内では豊川(愛知県)と綾瀬(神奈川県)、海外では米国・ケンタッキー州とメキシコ、中国・福建省で乗用車スチールホイールを生産している。

 国内の乗用車用スチールホイールのシェアは1位が中央精機で、2位のトピー工業がリンテックスを完全子会社化しても順位は変動しない見通し。

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