被害者組織カネミ油症五島市の会は17日、同市奈留町で奈留分会総会を開催。原告敗訴が確定した新認定患者による集団訴訟について、原告らはあらためて最高裁の決定へ憤りをあらわにした。福岡市で20日に開く国、原因企業カネミ倉庫(北九州市)との3者協議での要望事項も確認した。
新たに認定された患者が2008年にカネミ倉庫などに損害賠償を求めた訴訟。一審、二審は損害賠償請求権が20年で消滅する民法の除斥期間を適用。油症発生翌年の1969年末から起算し、原告の大半が油症認定前の89年末には訴える権利が消滅しているとして、訴えを退けていた。
総会は20人が出席。元原告団長の古木武次さん(85)は「最高裁には憤りを感じる。若い人たちのために今後も何らかの方法で救済を」と強調。原告女性は「具合が悪くて働けず、青春なんてなかった。とにかく悔しい」と漏らした。
一方、3者協議では、患者と同居する家族の認定拡大やカネミ倉庫が支払う医療費拡充などを要望することを確認。五島市の会の宿輪敏子事務局長は「今年は被害者救済法の見直し時期に当たり、国がどのような姿勢で臨むのか注目している」と語った。
(2015年6月18日掲載)
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