子育てヒント お寺で学ぶ 「母親支援の場に」と開始6年 横須賀市

 子育てで孤立しがちなお母さんたちを支えたい―。逸見の浄土寺では、2012年から地域活動の一環として、「モンテッソーリ教育子育て支援クラス」を設けている。

 「母親たちが交流できる広場にしたい」という想いで、同寺の逸見秀子さんを中心に立ち上げたもの。かつて同寺で幼稚園を運営していたことや、「モンテッソーリ教育」の教材を譲り受けたこともあり、逸見さんが指導の教師免許を取得して「お話会」としてスタート。月2回、子どもたちは独自の教具を使って学びの世界を広げている。

 色分けしたパズルや縫いさし・ハサミなど日常生活の練習道具、形や色、数などの感覚を養うものなどが多種多様にあり、さながら小さな幼稚園のよう。お母さんたちは、その様子を見たり、母親同士で子育ての悩みを語り合ったり。「他の子と比べたり、”できる・できない”に固執してしまったり、お母さんたちは余裕がなく、目の前のことで悩んでいる。どの子にも可能性があり、肩の力を抜いてもいいんだよと伝えたい」と逸見さん。モンテッソーリ教育の考えを学ぶことで、子どもとの関わり方も変わっていくという。

もうひとつの居場所に

 クラスは特に募集は行っていないが、市内を中心に横浜や川崎から約20組の親子が通う。逸見さんのもとには、LINEで子育ての相談が来ることも。同寺では週数回、小学生が過ごす「放課後クラス」もあり「お寺に来ればみんな平等。学校や家だけでなく、もう一つの心の居場所になれば」と描く。

 今月8日には「新年お楽しみ会」を開催。本堂での”お勤め”の後、工作や魚釣り・バスケットなどのゲームのほか、父母や指導スタッフ、小学生による「ももたろう」も観劇した=写真。手作りの劇に大喜びで「子どもの元気な声が聞こえるのはいいね」と話していた。

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