現新立候補へ 投票率向上に注力

 任期満了に伴う知事選は18日告示される。3選を目指す現職の中村法道氏(67)=自民、公明推薦、民進支持=と、新人で共産党県委員会書記長の原口敏彦氏(56)=共産推薦=が立候補を予定。2月4日の投票に向け、選挙戦に突入する見通しだ。同じ2人による一騎打ちだった前回は投票率が過去最低の40・72%。中村陣営はそれを上回る目標を掲げ、関心度を高めようと政策アピールに力を注ぐ構え。原口陣営は政党色を薄めて支持拡大を図ろうと躍起になっている。

 二つの「45」-。それは中村陣営が設定した数値目標だ。

 一つは投票率45%の達成。自民党県連が15日に長崎市民会館で開いた「励ます会」の参加者数は千人を超え、立ち見が出る盛況だったが、中村和弥政調会長はガンバロー三唱の前に投票率アップへ奮起を促した。「長崎県の代表を決める選挙が投票率40%では悲しい姿です」

 中村氏は人口減など課題の多い離島での行動時間を前回より増やす。県の施策に対し「分かりにくい」との指摘もあり、個人演説会は県政報告会スタイルで自ら施策の進捗(しんちょく)状況や課題を説く方針。「関心を持ってもらえるよう努力しないと」と自身に言い聞かせる。

 もう一つの「45」は、前回の約37万5千を上回る45万の得票だ。前回も原口氏に大勝したが、45万票となると、前回の両者を合わせた得票総数に近い。「夢をかたちに」をキャッチフレーズに圧倒的勝利を目指すが、目標を引き上げたことで「難しい選挙」に挑む格好となった。

 対する原口氏は14日、長崎ブリックホールで「新春の集い」を開いた。「私は共産党支持者ではありません。無党派です」。応援弁士として登壇したのは、石木ダム建設に反対する市民団体代表だった。約400人が集まった会場で陣営幹部は「無党派層にとっての敷居は低くなったはず」と手応えを語った。

 前回は共産公認。今回は県労連などで構成する「民主県政をつくる会」が擁立し、無所属で戦う。ポスターは党をイメージさせる赤を“封印”しライトグリーンに。共産支持層以外への浸透を図るが、「厳しい戦いに変わりない」(原口氏)。若手支援者らは、はやりの写真共有アプリ「インスタグラム」などを駆使し情報を発信している。

 知事選にはこのほか、東京都のNPO代表の男性(56)も出馬準備を進めている。

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