中日の先発ローテ争いは横一線 入団テスト合格なら松坂大輔にもチャンス

中日・大野雄大と又吉克樹【写真:荒川祐史】

入団テストは1月下旬の予定、投手陣の整備が急務となっている中日

 ソフトバンクを退団し1月下旬に中日の入団テストに挑む松坂大輔投手。日米通算164勝の実績を誇る“平成の怪物”はアメリカで自主トレーニングを行い、再び1軍のマウンドに立つことを目指している。首脳陣が見守るブルペン投球でアピールし合格すれば、春季キャンプから先発ローテ争いが始まることになる。

 中日の昨年のチーム防御率はリーグ5位の4.05。チームトップの8勝を挙げたのは50試合に登板した又吉克樹と、2桁勝利はいなかっただけに投手陣の整備が急務となっている。まずは、松坂が入団テストに合格するかが大きなポイントとなるが、入団が実現したら先発ローテを争う相手は誰になるのか、見ていきたい。

【2017年、中日の主な先発陣】

バルデス 23試合登板(全て先発)、6勝9敗、防御率3.76
大野雄大 24試合登板(先発22試合)、7勝8敗、防御率4.02
小笠原慎之介 22試合登板(先発19試合)、5勝8敗、防御率4.84
吉見一起 14試合登板(全て先発)、3勝7敗、防御率5.23
鈴木翔太 15試合登板(先発12試合)、5勝5敗、防御率4.17
ジョーダン 18試合登板(先発11試合)、6勝4敗、防御率2.30
又吉克樹 50試合登板(先発9試合)、8勝3敗、防御率2.13

 ケガなく順調にキャンプを消化することができれば松坂にとっては大チャンスになるはずだ。昨季、チーム最多の23試合に先発しローテを守ったバルデス、6勝4敗&防御率2.30とまずまずの成績を残したジョーダンがすでに退団。近年、ケガに苦しむ吉見は1年間を通してローテを守るのは厳しい状況で、3年目を迎えるドラ1左腕・小笠原、昨年キャリアハイの数字を残した鈴木に大きな期待を抱くのは酷といえる。

先発1番手はメジャー通算51勝のディロン・ジー

 ローテ入りが有力なのは昨年まで2年連続で開幕投手を務めた大野。昨季は7勝8敗と苦しんだが今季は復活をかけるシーズンになる。先発、中継ぎとフル回転で活躍した又吉克樹は先発に専念することになればローテ入りはグッと近づく。

 新戦力ではメッツ時代の2014年に開幕投手を務め、メジャー通算51勝を誇る右腕ディロン・ジー(元ツインズ)、ドラフト1位で入団した最速157キロ右腕の鈴木博志(ヤマハ)が即戦力候補。その他には昨年のドラフト1位・柳裕也、2015年に10勝をマークした若松駿太、シーズン終盤に2勝を挙げたベテラン・山井大介が虎視眈々とローテの座を狙っている。

 現段階ではディロン・ジーは実績、実力ともに群を抜いているだけに先発ローテの1番手。次点では大野、再び先発転向の可能性もある又吉、将来のエース候補・小笠原の名前があがる。復活をかける松坂は先発4、5番手を争うことになるだろう。

【2018年中日の主な先発ローテ候補】

ディロン・ジー(元ツインズ)
大野雄大
小笠原慎之介
又吉克樹
松坂大輔
吉見一起
鈴木翔太
柳裕也
鈴木博志(ヤマハ)
若松駿太
山井大介
笠原祥太郎

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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