12球団屈指の顔ぶれ? 昨季HR王&米ドラ1右腕が加入した巨人の助っ人陣容

巨人への入団が決まったヤングマン【写真:Getty Images】

4年連続V逸となれば、球団ワーストタイとなる巨人

 屈辱的な1年となった2017年の巨人。3年ぶりのVを狙った昨季は72勝68敗3分と4つの貯金を作りながら、球団ワースト記録となる13連敗を喫した。広島に連覇を許しただけでなく、阪神、DeNAの後塵も拝した。2006年以来、11年ぶりのBクラスとなる4位。2007年にスタートしたクライマックシリーズにも初めて出場出来ず、早々とシーズンオフを迎えることになった。

 長い巨人の歴史にあって、高橋由伸監督が就任して3年目となる2018年は、非常に重要なシーズンになるかもしれない。2014年に日本一になってから2位、2位、4位と3年連続でリーグ優勝を逃している。4年連続V逸となれば、2003年から2006年に並ぶ球団ワースト記録となる。不名誉な記録に並ばぬためにも、何としても頂点を奪還したいところだ。

 昨季はマイコラス、マシソン、カミネロ、マギーと4人の助っ人が活躍し、4人の外国人枠を十分に活用し、助っ人は十分な働きを見せた。だが、先発ローテの柱だったマイコラスはカージナルスへの移籍が決まってメジャー復帰。貴重な先発投手が1枚流出することになった。ギャレット、育成のソリマンも退団となった。

 4年ぶりの優勝を狙う2018年シーズン。まず、昨季中日で本塁打王に輝いたゲレーロを獲得。さらに、1月16日には2011年の全米ドラフトでブルワーズに1巡目指名を受けたヤングマンを補強した。これにより、投手は先発のヤングマン、リリーフのマシソン、カミネロの3人、野手はマギー、ゲレーロの2人の5選手に。4つの外国人枠の中で、リーグ屈指の実績を持つ5人を起用していくことになる。ここでは2018年の巨人の助っ人陣容をおさらいしてみよう。

ブルワーズから加入するヤングマンは2015年にメジャーで9勝をマーク

○新加入
アレックス・ゲレーロ外野手
2017(中日)130試合469打数131安打35本塁打86打点 .279
NPB通算(1年)130試合469打数131安打35本塁打86打点 .279

 来季、巨人の命運を握るキューバ出身の31歳。2013年にハイチへと亡命し、10月にドジャースと4年契約を結ぶ。2年目の2015年に106試合に出場して11本塁打を放ち、2017年に中日へ。来日1年目から35本塁打を放って本塁打王に輝いた。オフの契約交渉で中日とは合意に至らず、獲得に乗り出した巨人へ加入した。

テイラー・ヤングマン投手
2017(ブルワーズ)1試合0勝0敗0セーブ 防御率13.50
2017(3A)17試合9勝2敗0セーブ 防御率2.59
MLB通算30試合9勝13敗0セーブ 防御率4.54
3A通算55試合20勝14敗0セーブ 防御率4.69

 2011年の全米ドラフト1巡目(全体12位)で指名され、大きな期待を集めた身長198センチの大型右腕。2015年にメジャーデビューを飾ると、21試合に先発して9勝をマークした。2016年は0勝5敗。昨季はわずか中継ぎでの1試合登板にとどまったものの、3Aでは9勝2敗の成績だった。巨人としては、カージナルスでメジャー復帰が決まったマイコラスに代わる先発右腕として期待したいところ。

○残留
スコット・マシソン投手
2017:59試合4勝4敗2セーブ27ホールド 防御率2.24
NPB通算(6年)359試合25勝24敗45セーブ152ホールド 防御率2.30

 巨人の勝利の方程式を支える右腕は、2018年で来日7年目を迎える。フィリーズから2012年に巨人へ入団。最速160キロ超のストレートを武器に来日から6年連続40試合超に登板。2013年からは5年連続50試合登板と、怪我なくシーズンを戦い抜けるタフさも頼もしい。2018年も勝ちパターンの一角に入ることは間違いないだろう。

カミネロはメジャー通算149試合登板、マギーはメジャー通算850試合出場

アルキメデス・カミネロ投手
2017:57試合3勝5敗29セーブ4ホールド 防御率2.42
NPB通算(1年)57試合3勝5敗29セーブ4ホールド 防御率2.42

 ドミニカ共和国出身の右腕で、2017年から巨人に。2005年にマーリンズと契約してプロのキャリアをスタートさせ、2013年にメジャーデビュー。2015年にパイレーツへと移籍すると、メジャーで73試合に登板し、5勝1敗0セーブ15ホールドの成績をマークした。2016年もパイレーツとマリナーズで57試合に登板。メジャー通算4年間で149試合7勝5敗1セーブ24ホールド 防御率3.83。昨季は巨人の守護神を任され、29セーブをあげた。160キロ前後のストレートを武器に、今季もクローザーを務めることになるだろう。

ケーシー・マギー内野手
2017:139試合523打数165安打18本塁打77打点 .315
NPB通算(2年)283試合1036打数315安打46本塁打170打点 .304

 メジャー通算850試合出場の実績を誇る。2003年のドラフトでカブスに指名されてキャリアをスタートさせると、ブルワーズやパイレーツ、ヤンキースでプレー。ブルワーズ在籍時の2010年には打率.285、23本塁打、104打点を記録した。2013年にはアンドリュー・ジョーンズとともに楽天に加入し、日本一に貢献。家庭の事情もあり1年で退団し、マーリンズ、ジャイアンツ、タイガースでプレー。昨季、巨人に加わると、48二塁打のセ・リーグ記録を樹立するなど活躍。今季もチームの核の1人となるだろう。

【育成】
サムエル・アダメス
2017(イースタン)26試合4勝4敗0セーブ 防御率3.16

クリストファー・クリソストモ・メルセデス
2017(イースタン)18試合2勝3敗0セーブ 防御率3.29

ホルヘ・マルティネス
2017(イースタン)10試合30打数6安打0本塁打4打点 .200
2017(3軍)88試合308打数79安打11本塁打62打点 .256

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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