もえぎ野中瀬間教諭 全日本ボブスレーで2冠 陸上競技の経験生かす 横浜市青葉区

賞状を掲げる瀬間さん

 もえぎ野中学校教諭の瀬間(せま)貴浩さん(44)が1月7日、長野市で行われた全日本ボブスレー選手権大会に出場し、男子2人乗りと4人乗りで優勝した。瀬間さんは自身初となる2冠について「感無量」と振り返る。

 ボブスレーとは前方にハンドル、後方にブレーキが付いた鋼鉄製のソリのことで、競技名にもなっている。最高時速が130Kmを超えるため「氷上のF1」とも評され、全長約1400m前後のコースを一気に滑りぬく。大会では2本滑った合計タイムを競い合う。選手権は国内最高レベルの大会だが、瀬間さんは過去に2人乗りで1回、4人乗りで3回優勝の実績を持つ。

 今年は男子2人乗りに8組、4人乗りに6組が出場。2人乗りの1本目では、トリノ五輪代表の清川・小林組に0・1秒差の2位となるが、2本目で逆転。合計タイムが0・02秒差という僅差を制した。瀬間さんは「めちゃくちゃ嬉しくて、思わず抱き合った」とペアを組んだ三上大輝さんと喜びを分かち合ったという。その後行われた4人乗りでは1本目、2本目ともに1位と、安定した滑りで優勝を果たした。

 世界大会やW杯で日本代表に選出されていた瀬間さんだが、選手権2冠は今回初めて。「ナショナルチームにいた時は勝って当たり前。そうでない今、2種目とも勝ち取ることができたというのは、今までの優勝とはまったく違った喜び」と話した。

自分の力が生かせる場所

 群馬県出身の瀬間さんは高校から陸上部に所属。円盤投げの選手としてインターハイで4位、国体で代表選手となるなど実績がある。現在も教諭生活の傍ら、投擲競技を続けている。

 ボブスレーとはまったく無縁だったが、母校・東海大学の先輩、伊東浩司氏から勧められたことをきっかけに2001年から競技を始めた。ボブスレーはスタート時に押し出す力が大きなポイント。ウインタースポーツの中で唯一のパワー系競技と言われており、投擲競技で培ってきた下半身の瞬発力を見込まれてのものだった。瀬間さんは「自分の力が生かせる場所だった」とボブスレーのトレーニングを重ね、ソリの後方に乗るブレーカー選手に。

 瀬間さんはボブスレーについて「パワー系の競技でスピードが速く、個人ではなくチームでコンマ1秒を争う点が魅力」と語った。

ボブスレーを押し出す瀬間さん(左)=本人提供

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