知事選 選対責任者に聞く

 18日告示される知事選には、現職の中村法道氏(67)と新人の原口敏彦氏(56)の無所属2人が立候補を表明している。両陣営の幹部に戦い方などを聞いた。

◎圧倒して 3期目を後押し 中村陣営 選対本部長 山中勝義氏(72)=JA県中央会長=

 推薦する団体や政党などがフル稼働して全力で勝ちにいく。圧倒的な勝利で中村氏の3期目を後押ししたい。

 今回は、普段行く機会が少ない離島での行動時間を増やした。より広く県民の声を聞き、向こう4年間の政策に反映できればと考えている。各地で開く個人演説会では

「圧倒的に勝利したい」と話す山中氏=長崎市出島町、県JA会館

候補者本人が話す時間を多くする。県政に対する中村氏の思いを有権者にじっくり聞いていただく。

 長崎県の課題の一つは人口減少。これを解決するには雇用を増やすことが

大切だ。中村氏は2期8年でこの問題に誠実に取り組んでおり、この流れを継続することが県政にとってプラスになるはず。

 目標は投票率45%(前回40・72%)、得票数45万票(同約37万5千票)。全国的に投票率が低下している現状では、高い数字だが、県のトップを決める選挙なので有権者の関心を高めていきたい。

新たな試みとしてフェイスブックを開設した。初めて知事選の投票権を得た18、19歳など若い世代にも浸透させたい。特に長崎、佐世保、諫早といった若者が多い都市部での働き掛けが投票率アップのポイントになる。

◎県民の力 発揮する戦いに 原口陣営 選対長 大場正信氏(65)=県労連議長=

 前回は共産党公認だったが、今回は市民団体「民主県政をつくる会」が擁立する無所属候補として戦う。政党ではなく市民団体を前面に押し出す点が違っている。

「県民の力を結集したい」と語る大場氏=長崎市家野町の選挙事務所

 2016年参院選では、市民連合の仲立ちで県内の野党候補を統一できた。今回の知事選では、民進党が現職支持に回るなど、野党間の協力はかなわなかった。だが、参

院選で築いた連帯を基盤に、県民の力を発揮できるような選挙戦に持ち込みたい。

 九州新幹線長崎ルート整備、諫早湾干拓事業の開門調査、石木ダム建設、統合型リゾート施設誘致-県が抱える大型事業について、いずれも原口氏は現職と反対の立場だ。有権者の意見もさまざまだと思うが、総じて言えるのは「現職は県民の声を聞いていない」という点。強権的な姿勢に疑問を感じている県民は一定数いるはずで、そうした人々の受け皿になれるように、政策を訴えていきたい。

 具体的には、少人数で有権者と直接意見交換ができる集会を重ねることで草の根で支持を広げていく。SNS(会員制交流サイト)を活用した若者層への浸透にも力を注ぐ。

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