「障害者スポーツを知って」 区が選手招き講演・体験会 横浜市南区

「ボッチャ」を体験する子どもたち

 障害者陸上競技の世界大会で活躍するアスリート夫妻の講演や車いすバスケットボールなどの体験会が1月13日、市立横浜商業高校で行われ、子どもらがパラリンピック種目の競技を楽しみながら学んだ。南区役所は今年度、横浜で決勝戦が行われる2019年のラクビーW杯や20年の東京五輪・パラリンピックへ向け、スポーツへの関心を持ってもらう事業を相次いで行っており、大イベントへ向けた機運を高めている。

アスリート夫妻語る

 13日は、Y校で09年から3大会続けてデフリンピック(聴覚障害者の五輪)に出場している高田裕士さんと妻で昨年の世界パラ陸上選手権大会の走り幅跳びで銀メダルを獲得した視覚障害者の千明さんが講演。Y校生ら約150人を前に競技の説明や障害者陸上の現状などについて語った。

 千明さんは「障害者アスリートの補助はまだまだ足りない」と語った上で「自分が思っていることを声に出して輪を広げる努力が必要」と周囲の環境を変えるには強い意思表示が大切だとした。裕士さんは「生きていく上で、とりあえずやってみることが大事。失敗して分かることもある」と挑戦を恐れないことが成長につながると力説した。

 講演に続いて体育館でいずれもパラリンピック種目の車いすバスケットボールやボールを投げて目標への近さを競う「ボッチャ」の体験会が開かれた。車いすバスケでは蒔田中の生徒が試合を行い、ボッチャでは、スポーツ推進委員らがルール説明を受けながら、ゲームを体験した。同委員からは「思ったよりボールが重くて投げるのが難しい」などの声が聞かれた。

ラグビー、五輪へ

 ラクビーW杯、東京五輪の会場に横浜が選ばれたことを受けて、南区ではスポーツへの関心を高める事業に力を入れている。

 昨年11月にはラグビー元日本代表の今泉清さん、ソウル、バルセロナの両五輪のメダリストである体操の池谷幸雄さんが講師の小学生向け教室を実施。

 南区体育協会が2月11日に開く「みなっちスポーツフェスタ」では、Y校でのイベントにも参加した車いすバスケのパラリンピアン、伊藤俊之さんが指導する体験会が予定されている。また、1月19日まで、区役所1階ギャラリーでラグビーW杯を知ってもらうための展示を行うなど、立て続けに企画を行う。

 区役所地域振興課は「区民のスポーツに対する関心を高め、オリンピック・パラリンピックを機に地域をより盛り上げたい」としており、今後も幅広い世代がスポーツに親しんでもらう事業を進める方針だ。

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