メタル・アンド・テクノロジー、「鋼化AC2A合金」開発にめど アルミ合金に炭素添加し高強度

 炭素添加銅など販売するメタル・アンド・テクノロジー(本社・栃木県那須烏山市、社長・伊藤修一氏)は、鋳造用アルミ合金として知られる「AC2A」に炭素を添加して強度を高めた鋼化AC2A合金の開発にめどをつけた。独自技術で炭素を添加することで強度の向上を実現しており、今後は合金メーカーとの協業やダイカスト材、展伸材などへの技術展開を目指す。

 鋼化アルミニウム合金は、アルミ合金に微量の炭素を均質分散させ析出促進を図ることで結晶組織の微細化を起こさせ、機械的強度を飛躍的に高めた合金。従来のアルミ合金と比較して、約1・5~2倍の機械的強度を持つ。従来、鉄以外の金属に炭素を添加し均一に分散させることは難しかったが、協力会社の技術を使い均一分散を実現している。

 メタル・アンド・テクノロジーは数年前から鋼化アルミ合金の研究開発を進めているほか、15年度の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)に指定されてからは研究を加速させていた。これまでに鋼化AC2A合金の各種評価が完了しており「試作段階では自動車部品やIT関連製品の部材として引き合いがある」(伊藤社長)と説明。事業化に向けて合金メーカーなどとの協業を検討している。

 また、鋼化AC2A合金の需要開拓を進めるとともに、その他のアルミ合金への技術転用を目指している。現在検討しているものとしては「AC4B」などの鋳造材や「ADC12」などのダイカスト材、「A2014」などの展伸材が挙げられる。自動車や鉄道車両などの軽量化・高強度化に寄与する材料として、ユーザーニーズと照らし合わせながら研究開発を進めていく考えだ。

 同社はあす20日まで東京ビッグサイトで開催している「オートモーティブワールド2018クルマの軽量化技術展」で鋼化アルミ合金をPRしている。

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