伝統の火祭り 無病息災願う 大磯の左義長 大磯町・二宮町・中井町

燃え盛る炎を囲んで団子を焼く人々

 国の重要無形民俗文化財に指定されている大磯町の「左義長」が13日、北浜海岸で行われた。正月飾りやだるまなどを集めて作る、高さ8〜9mほどのサイト9基が火の粉を舞い上げながら赤々と燃え、町民らが竹ざおにくくり付けた団子を焼くなどして1年の無病息災と家内安全を祈った。

 炎の勢いが落ち着くと、ふんどし姿の男性が海に入って疫病神を封じ込めた仮宮を縄で引き合う「ヤンナゴッコ」が始まり、海岸に威勢の良いかけ声が響いた。3度の綱引きが終わると仮宮は陸に上げられ、見物客も加勢して縄を引っ張った。

 3歳の息子を連れて見学に訪れた平塚市の女性は「炎がきれいで毎年楽しませてもらっています。海の中に入っての綱引きは初めて見たので興奮しました」と話していた。

風習学びころころ

 大磯町のこいそ幼稚園で12日、園児が左義長の団子づくりを体験した=写真。食生活改善推進団体ママの会の協力で地域に伝わる風習を学び、「いい匂いがするね」と小さな手のひらで団子を丸めた。雪だるまやウサギなど好きな形にもこねてクラスメートと出来映えを見せ合った。

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