18日(木)に行われた湘南ベルマーレの新体制発表会。
この中で、2018シーズンに向けたチームスローガンも発表された。
過去3シーズン「証明」、「挑越」、「共走」と漢字二文字を採用してきた湘南だが、今年のスローガンは"ALIVE"に決定。
これはラグビーの指導者である清宮克幸氏がサントリー時代に掲げていた言葉である。
チョウ・キジェ監督は「ピッチの内外で“生きている“ということを周りに示し、勝利を究極に追求する。見ている人の気持ちを動かす」という思いからこの言葉を拝借し、スローガンに決めたという。
そんなチョウ監督は、なぜこの言葉をスローガンに据えたのだろうか?
その背景には、もはや恒例となっているヨーロッパへの視察が関係していたようだ(01:08:10から)。
チョウ・キジェ(湘南ベルマーレ 監督)
「なぜそう思ったかというと、去年の終わりにイタリアに行った時に、ガスペリーニ監督にインタビューできる機会があって。
30分ほど時間を取っていただいて、画面に映る通り温厚で『よく来たな』みたいな雰囲気で迎えていただいて」 チョウ・キジェ(湘南ベルマーレ 監督)
「アタランタの記者会見の部屋に招かれて話したんですけど、その時思ったのは、当たり前ですけど監督としての器とか監督として考えてることのレベルが違うな、と。
でも、やっぱりオレがそういうところを認めて、そういうところに追いつこうと思わない限り選手に良いものを提供できないと思いましたし。
彼が言っていた言葉で印象的だったのが、『良い選手を預かったらイコールすぐに出ていくということだ』と。
『彼らは評価されて上のステージに行きたいと思って来る、そんなの当たり前だ』と。『だから毎日の練習が大事なんだ』と。
めっちゃ格好いいなと思ってその後の練習を見たら、本当にそうだったんですよね。
クリスタンテとかアレハンドロ・ゴメスとか筋トレをやった後にスモールサイドゲーム何回やっても、手を抜かないし一生懸命やるし。
アレハンドロ・ゴメスなんて29歳でアルゼンチン代表に入りましたけど、ここにも代表に入ってほしい選手もたくさんいますし、ロシアに行ってほしい選手もたくさんいます」 チョウ・キジェ(湘南ベルマーレ 監督)
「そのためにはオレが一番ALIVE感を持ってやっていかないと、今皆さんの前で話してても誰も信じないかもしれないけど、オレが一番強くこのチームを変えてやると思わないと何も生まれないと思いましたし。
冬の間に今シーズンにあたって、選手たちと一緒にもう一回真剣勝負をしようと。
それは選手がやってて楽しいと思うこと、そして見ている本当に人が心動かされる瞬間をたくさん作りたいと思って今ここに座っていますし、それができる選手たちが揃ったんじゃないかなと思います」
この年末、アタランタを率いるジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督と意見を交わしたというチョウ監督。
そこで監督としての器や考えていることの違いを痛感し、その事実をしっかりと受け止めなければ選手に良い指導ができないと思ったのだそうだ。
「オレが一番ALIVE感を持ってやっていかないと、オレが一番強くこのチームを変えてやると思わないと何も生まれない」という言葉には、チョウ監督の切実な思いが込められている。
こうした熱い言葉こそ、チョウ監督が選手やファンに支持される理由だろう。