【時代の正体取材班＝石橋 学】人種差別の言動を繰り返す活動家らが川崎市のヘイトスピーチ対策の阻止を掲げて２１日にＪＲ川崎駅前で計画していたヘイト街宣が中止になった。１９日、開催の延期を主催者がインターネット上で告知。差別に反対する市民が抗議のカウンター（対抗）に多数集まる状況に実施が困難になったと記している。 主催者は人種差別団体「在日特権を許さない市民の会」の後継組織、極右政治団体「日本第一党」メンバーの川井誠二郎氏。「人権を踏みにじる権利など存在しない」「差別を許さない姿勢を圧倒的多数で示そう」といった抗議やカウンターの呼び掛けがツイッターに多数投稿され、「トラブルが必死な状況」（原文ママ）のため延期を決めたという。新たな日程は記していない。
川井氏はこれまで「朝鮮人をぶち殺せ」と叫ぶ川崎市内のヘイトデモに繰り返し参加。街宣の告知では、市が全国に先駆けて策定した公的施設でのヘイトスピーチを事前規制するガイドラインに反対を表明し、県内外の人種差別主義者らが参加の意思を示していた。
開催目前での中止に、ツイッターでは「多くの人達のヘイトスピーチは許さない！という強い信念がこの結果（延期という名目だが実質中止）につながった」「レイシストの居場所はどこにもない」「オール川崎、市民の勝利」といった喜びの声が投稿された。
市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」の三浦知人事務局長も「不安を感じていた地域の在日コリアンが少し安堵（あんど）できる結果」と歓迎。
再度の計画や無告知での実施の恐れもあり、ヘイト街宣に合わせて企画した街宣は予定通り２１日午後１時半から行う。市のヘイト対策への支持を表明、人種差別を禁じる条例の早期制定を訴える。
