メクル第241号 「わたしは6年間、何を食べてきたのかな」大調査! 松尾さん(南有馬小6年) 統計グラフ全国コンクールで奨励賞

 何かについて調べ集め、得られた数字「統計(とうけい)」を使って、身近な題材を分かりやすくまとめる。そんな作品を対象にした「第65回統計グラフ全国コンクール」(統計情報(じょうほう)研究開発センター主催(しゅさい))で、南島原市立南有馬小6年の松尾桃花(まつおももか)さん(12)の「夏休みばんごはん大調査(ちょうさ)」が奨励(しょうれい)賞にかがやきました。全国から2万6447点の応募(おうぼ)があり、県内の入賞者は1人だけ。調べようと思ったきっかけや、工夫したことなどを聞きました。                 

 ■夕飯を分析!

 小学生最後の夏休み。家族で夕飯を食べながら「今年の自由研究、何にしようかな」と話していました。その日のメニューはみんなが大好きなギョーザ。ふと「友達の家では、どのくらいギョーザを食べるんだろう」と疑問(ぎもん)がわきました。

 食べることが大好きという桃花さんは、食事をテーマに研究をしようと考えました。「友達にアンケートをしようかな、でも、夏休み中だし…」。そこで、自分の家の食事について分析(ぶんせき)することにしました。1年生のころから30センチ身長がのびた桃花さん。「わたしは6年間、夏休みに何を食べてきたのかな」

 ■いろいろ発見

 夏休みの日程(にってい)を「7月21日から8月31日」とし、その6年分で計252日分。母親の恵美(えみ)さん(40)が結婚(けっこん)してから毎日記録しているという夕飯のメモからメニューを一つ一つぬき出し、父親の篤行(あつゆき)さん(45)が作ってくれた記録用紙にこつこつと記入しました。完成したメニューの一覧(いちらん)表を見ながら考えると、いろいろな発見がありました。

 「手作り」「外食」という点では、自宅(じたく)で手作りが82%、外食が11%。残り7%は祖父母(そふぼ)の家でした。調べてみて、「夏休みなので、ほかの月よりも外食の割合(わりあい)が高いのかも」と感じたそうです。

 「和洋中(わようちゅう)」(和食、洋食、中華(ちゅうか))の項目(こうもく)では「和」が63・2%で1位。和食が多い松尾家では、調理法では和食の基本(きほん)となる「煮(に)る」が最も多く、103回でした。

 食事の中心となる料理「主菜」の材料別割合では、野菜がトップの36・3%。同じ市内にくらしている祖父母の畑でとれた野菜を、ふんだんに使っているそうです。ナスが大豊作(ほうさく)だった2017年は、他の年とくらべてナスの数値(すうち)がぐんとのびました。

 年別に、よく食卓(しょくたく)にならんだ「チャンピオンおかず」も明らかにしました。中でも、6年間の夏休みで計22回も登場した「グランドチャンピオン」はゴーヤーチャンプルー。カレーライスは21回でした。

 ■家族だんらん

 いろいろ分かったことは、縦(たて)72・8センチ、横51・5センチの紙に、手書きで清書しました。グラフの外枠(そとわく)は、調理器具や食材の形にするなど工夫。コンクールで桃花さんの作品は、データの収集(しゅうしゅう)力や分析力に加え、家族だんらんの様子が伝わる点も評価(ひょうか)されました。

 調査を通して「妹の誕生日(たんじょうび)は、大好きな手まきずしやギョーザが多い」「ちがう年で、ほぼ同じメニューの日がある」という気づきもあったそうです。

 桃花さんは「お母さんに、いつもおいしいごはんをありがとうという気持ち。これからも身近なことについて、楽しく調べたい」と笑顔で話していました。

松尾桃花さんの作品「夏休みばんごはん大調査」
「量が多くて、確認が大変だったね」。右から恵美さん、桃花さん、篤行さん=長崎市

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