政策、カフェの対話から 「活動豊かにする拠点」 実践者ら取り組み紹介

 地域における中間支援機能として注目を集める「コミュニティーカフェ」の可能性を探るフォーラムが19日、横浜市中区の「BankART Studio NYK」で開催された。市内のカフェ実践者らでつくる「横浜コミュニティカフェネットワーク」(YCCN)と、市の主催。YCCNの取り組み報告や講演、パネルトークなどが行われ、約100人が参加した。

 居場所やサロンといったカフェ空間を活用し、地域課題の解決を目指すコミュニティーカフェ。YCCNは運営者同士の交流やノウハウの共有、情報発信などを目的に2014年、設立した。15年度からの3年間は、同市市民活動支援センター自主事業として、カフェ型中間支援機能の創出・強化・普及に取り組んでいる。

 フォーラムではYCCN世話人の森祐美子さんが、3年間の活動を報告。「伴走会議」と称し市内カフェの課題解決に向けた支援のほか、訪問調査や公開フォーラムの実施、啓発冊子の発行などに取り組んだことを紹介した。

 「地域活動を豊かにする拠点とは〜コミュニティーカフェがその価値を発揮するために」と題したパネルトークには、東京都市大学都市生活学部准教授の坂倉杏介さん、YCCN代表の齋藤保さんが参加。YCCN世話人の米田佐知子さんが、コーディネーターを務めた。

 坂倉さんはコミュニティーカフェでさまざまな人が出会い、対話する中で新しい政策が生まれるといった「循環型の地域政策」が今後は求められるとした。

 齋藤さんは、カフェ側には行政や地域住民に情報開示する責任があるとした上で「スタッフが余計なおせっかいを焼く時間、空間など目に見えない価値へのコストを誰が負担するのか。それぞれのカフェの周辺の人たちが、対話を積み上げなくてはならない」と強調。YCCNをうまく活用し、時には行政を巻き込み、答えを見いだすことが大切だと訴えた。

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