「同じように成人式を」 支援センターが利用者祝う 小田原市

20年分の感謝をこめて花を渡す礼音さん(左)

 障害のある人の就労や生活支援を行う(社福)小田原支援センターが1月13日、今年20歳を迎えた利用者の成人式を行った。

 「障害のある人はなかなか一般の成人式に出にくい。彼らの門出を同じように祝いたい」。前身の法人が1984年1月に始めた伝統行事が、今年も和やかな雰囲気のなか開催された。新成人の仲間入りを果たしたのは、太田礼音(あやね)さん。レース風のワンピースを身にまとい、母・和美さん(45)と登壇。職員から「ダンスが大好きで明るく、作業にもとても意欲的」と紹介されると、壇上ではにかんでみせた。

 毎日、母親手製の弁当を持って通所する礼音さんのために、センターからは色紙と保温式の弁当箱を記念品として贈呈。望月直洋理事長は「みんなで仲間を祝うことができた。これからも共にまるい心を持って生きていこう」と呼びかけた。

 式の最後には母に向けた花束贈呈のセレモニーが行われ、礼音さんは何度も「ありがとう」と伝えると、和美さんは「あっという間だった。これからも健康で楽しく過ごしてくれたら」と目を細めていた。

 センターの永年勤続者をたたえる式典も同時に行われ、会場は祝福ムードに包まれた。

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