「困った時の戸村」に「甘んじるつもりない」 09年ドラ1右腕が秘める覚悟

今年で9年目を迎える楽天・戸村健次【写真:佐藤直子】

マーリンズ田澤らと取り組む新たな自主トレ「180度違いますね」

 今年で9年目を迎える楽天・戸村健次投手は現在、沖縄で自主トレーニングに励んでいる。昨年まではマリナーズの岩隈久志投手と共にアメリカのロサンゼルス近郊で行っていたが、今年からは新たな刺激を求めて、チームメイトの青山浩二投手、マーリンズの田澤純一投手、ソフトバンクの二保旭投手に合流した。

 1月8日から始まった自主トレは、3日間を1クールとした4クール制。折り返し地点を越え、22日の最終日に向けて順調に追い込めている。新メンバーで臨む自主トレは、今までと「全然違います。180度違いますね」という。

「練習メニューは、こっちに来てからは朝ウエイトをして午後から野球の練習なんですけど、アメリカで自主トレをやっていた時は完全に逆でしたし、クマさん(岩隈)とやっていた時はいろいろなスポーツを取り入れた練習をしていたんですけど、こっちに来てからはランニングメニューを組んでやっていますし、本当に野球をしているって感じがありますね」

 戸村と言えば、昨年は4月23日ソフトバンク戦の岸孝之、6月9日広島戦の塩見貴洋に代わり、2度の“緊急先発”に借り出されたことが記憶に新しい。先発と中継ぎの両方を起用にこなすため、「困った時の戸村」と頼りにされる存在ではあるが、自身の中で「その位置に甘んじるつもりはない」と覚悟を持って今季に臨む。

2018年は「困った時の戸村」から「頼れる先発の戸村」へ

「個人的にはいろんなことに手を出して中途半端になってもいけないんで、シーズンが始まるまでは先発1本に絞って、若い選手に負けないように競争していこうと思います。正直、去年もずっと球団にどこを求められているのか、自分でもちょっと不透明な部分があった。なので、自主トレとキャンプ、オープン戦は、しっかり先発をやりたいと思って調整していこうと思います。その結果、シーズンに入って中継ぎをやってくれ、両方やってくれって言われるんだったら、自分も納得してできるんで」

 2009年ドラフト1位で入団した期待の右腕。185センチの長身から繰り出される速球は時速150キロにも迫る。だが、1軍に定着しきれず、悔しい思いを繰り返した。ここまで8年の通算成績は、99試合(55先発)で17勝25敗1ホールド、防御率4.23。31歳を迎える今季は、もう1段でも2段でもステップアップをし、息の長い野球人生につなげたい思いが強い。

「自分のスタイルを持ってやりたいですね。先発も中継ぎもできるっていうのは、もう分かってくれていると思う。その中で自分が1個突き抜けるためにやっていきたいです」

 2018年は「困った時の戸村」から「頼れる先発の戸村」に変わるため、沖縄で着実に土台固めを進めている。

(Full-Count編集部)

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