メクル第242号 授業サンカン in 諫早小 学んだことどんどん活用

 県内の小中学校で、記者が授業(じゅぎょう)を参観したり授業に参加したりする「授業サンカン」。今回は、諫早(いさはや)市仲沖(なかおき)町の市立諫早小(池田敏朗(いけだとしろう)校長、477人)にやってきました。

 諫早小は、県教育委員会の指定を受け、人材配置や学習の進め方、時間割(わり)づくりといった学校運営(うんえい)に関して教職員(きょうしょくいん)全体で取り組み、より良くしていく「カリキュラム・マネジメント」を研究中。この中で、教科と教科を結び付けたり、いろんなことをつなげたりして学びをより深めていく学習方法が大事な要素(ようそ)なのだそうです。

 他教科とのつながりを意識(いしき)した授業を、主に「生活科」や「総合(そうごう)的な学習の時間」で進めている諫早小。学校教育目標「創造(そうぞう)的実践(じっせん)力、豊(ゆた)かな心、たくましさ」を育てるため、ほかの教科で学んだことを生かして課題を解決(かいけつ)したり、自分の生き方を考えていく力を育てたりしています。

 昨年12月、4年生の「総合的な学習の時間」を見学しました。テーマは「大好き! 私(わたし)たちの本明川(ほんみょうがわ)」。児童はこれまで、「社会科」で自分たちのくらしが水道水と深く関わっていること、水道事業が広い地域(ちいき)の協力と人々の努力で計画的に行われていることを学んできました。諫早中央浄化(じょうか)センターを見学し、「国語」で学んだ新聞作りのこつを意識してグループ別に壁(かべ)新聞を作成。読み手に伝わるよう、写真やグラフを活用し、レイアウトにもこだわりました。

 それらの学習をふまえて、この日は「本明川をきれいにするためにできること」をみんなで考えました。「ごみを拾う」「シャンプーやリンスを使いすぎない」「天ぷらをした後の油は新聞紙ですい取る」など、たくさんのアイデアが飛び交います。「取り組むのは自分だけでいいのかな」と村崎良平(むらさきりょうへい)先生(29)が問いかけると、児童たちは、「地域のみんなで参加できるそうじのイベントをつくる」など、学校や家庭、地域で協力して取り組むことなどを具体的に考えて、グループごとに話し合いました。

 難波壮太(なんばそうた)君(10)は「社会科の授業でいろいろと調べてまとめた後だったので、深く考えることができた」、古川真衣(ふるかわまい)さん(10)は「本明川の良さを地域の人たちに発信して、たくさんの人に知ってもらいたい」と話しました。

「本明川をきれいにするためにできること」について、意見を伝え合う児童たち=諫早市立諫早小
暮らしを支える水についてまとめた「大切な水新聞」

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