〈時代の正体〉保護者の理解得られず 北綱島支援校分校案

強硬姿勢崩さぬ市教委 【時代の正体取材班=成田洋樹】横浜市立北綱島特別支援学校(同市港北区)を2019年度から分校に移行する案について、市教育委員会による保護者説明会が21日に同校で開かれた。3回目となった説明会は保護者側の理解が得られないまま終了。市教委は26日の臨時会で関連条例改正案を審議し、31日開会の市会定例会に提案する構えを崩していない。

 各説明会で、市教委は保護者らの不安解消を名目に17年度中に一定の方向性を決めたいとして分校案を提案。これに対し、保護者からは「いまの学校とほとんど変わらない教育水準を維持するのであれば、なぜ分校にする必要があるのか」との意見が相次いだ。同校の閉校計画が明らかになったのは15年9月だが、同校を巡る計画が二転三転する中で「納得できる説明が乏しい」との不信感が根強い。

 この日、ある保護者は「保護者の理解が得られないのであれば、市会への提案は取りやめるべきだ」と強調。別の保護者は「保護者が納得できる説明がこれまで不足していたと市教委は謝罪したが、また同じ過ちを繰り返して分校案を通そうとしている」と批判した。

 市教委の当初の肢体不自由特別支援学校再編整備計画では、同校は18年度末で閉校とされた。保護者側は「人口が増えている市北東部が支援校の空白地域になる」と反発。市立上菅田特別支援学校(同市保土ケ谷区)の分教室案や分校案が浮上するなど曲折をたどっている。

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