「受援力」強めよう 災害ボランティアネット、横浜で記念講演

 被災地支援に取り組むNPO法人神奈川災害ボランティアネットワーク(河西英彦理事長)の20周年記念講演会が21日、横浜市神奈川区で開かれた。全国各地の災害復興を後押ししてきた実績を共有した上で、切迫性が指摘される首都直下地震などを念頭に置き、他県からの支援を円滑に受け入れる「受援力」の強化を今後の重点課題とした。

 同ネットワークは、1995年1月の阪神大震災で支援活動に関わった人たちを中心に97年に発足。東日本大震災後の2012年にNPO法人となり、ボランティアセンターの開設訓練や人材育成の講座などを通じ、その日に備えている。

 高坂徹副理事長は「平成は災害の時代。たまたま神奈川で大きな災害が起きていないだけだ」と強調。河西理事長は「いざというときに向け、顔の見える関係が欠かせない」と述べ、社会福祉協議会などとの連携をポイントに挙げた。

 記念講演で登壇した吉井博明東京経済大名誉教授は、95年前の関東大震災の実態と、その再来型の被害想定結果を比較。「人口規模は当時と違うものの、いずれも死者は約3万人。耐震化や家具の固定など課題は山積しているが、備える時間はある。地道に解決していくことが大切」と指摘した。

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