内川、福浦が迫る2000安打 過去に達成者を最も世に送り出した球団は?

今季中の2000本安打到達が期待されるソフトバンク・内川聖一【写真:荒川祐史】

2017年は中日・荒木、巨人・阿部、阪神・鳥谷が達成

 2000安打――。プロ野球でプレーする打者にとって、超一流の証とされ、1つの目標となる数字だ。200勝、250セーブとともに限られた選手しか入会を許されない名球会の加入条件にもなっている。

 ソフトバンクが日本一の座に2年ぶりに返り咲いた2017年シーズン。中日の荒木雅博、巨人の阿部慎之助、阪神の鳥谷敬の3人が節目に達し、歴代の2000安打達成者は50人となった。さらに、ソフトバンクの内川聖一が1975安打で残り25安打、ロッテの福浦和也が1962安打で残り38安打としており、2018年シーズンでの2000安打達成を射程圏に捉えている。

 来季の所属先が決まっていない村田修一も現在1865安打となっており、2000安打まで残り135安打としている。また、NPBでの通算2000安打は達成していなくとも、イチローや松井秀喜、井口資仁、福留孝介、青木宣親の5選手は日米通算2000安打を成し遂げている。

 打者にとって、1つの勲章となる数字だが、これまで、55人いた2000安打(日米通算含む)達成者を、数多く輩出している球団はどの球団なのだろうか。2000安打達成者が大台到達までに所属した球団を見てみると、意外?な結果が出てくる。複数球団にまたがって2000安打に到達した選手の場合は、それぞれの球団にカウントし、2000安打達成後に移籍した球団は除いた。日米通算と、NPBのみでの2000安打を両方達成した選手は、NPB通算2000安打達成時を節目とした。

巨人は在籍13人が達成、生え抜き&キャリアをスタートさせた選手は7人

 最も多かったのは、やはり巨人の13人。王貞治(現ソフトバンク球団会長)や長嶋茂雄(現巨人軍終身名誉監督)、川上哲治といった往年の名選手をはじめ、落合博満や小笠原道大、小久保裕紀といった移籍組も数多い。ただ、プロ入りから達成まで巨人に在籍した生え抜きに限れば、阿部より前は1980年の柴田勲まで遡ることになる。巨人でキャリアをスタートした達成者で括ると王、長嶋、川上、柴田、駒田徳広、松井、そして阿部の7選手になる。

 巨人に続くのは、2017年に荒木が達成した中日。在籍経験のある11選手が日米通算を含む2000安打に到達している。生え抜き、ないし、中日でキャリアをスタートさせているのは高木守道、谷沢健一、大島康徳、江藤慎一、立浪和義、荒木、そして現在阪神に在籍する福留孝介(日米通算)の7人。落合博満、谷繁元信、中村紀洋、和田一浩の4選手が移籍加入組だった。

 3番目に多いのは、ソフトバンク(前身の南海、ダイエー含む)。野村克也を筆頭に、門田博光、広瀬叔功、加藤英司といった名選手の名が並び、秋山幸二や小久保裕紀、新井宏昌、日米通算2000安打達成者の井口資仁ら8人が在籍。生え抜き、ないし出身者は野村、門田、広瀬、小久保、新井、井口と6選手だ。

 巨人、中日、ソフトバンクに続くのは、それぞれ前身となった球団も含め、ヤクルト、広島、DeNA、ロッテ、西武の7人ずつ。

ヤクルト、ロッテ、オリックス、阪神は…

 ヤクルトは若松勉、宮本慎也、古田敦也の生え抜き3人、稲葉篤紀、青木宣親(日米通算)がプロ生活をはじめ、外国人で唯一の2000安打達成者であるアレックス・ラミレスも日本でのキャリアをヤクルトでスタートさせている。移籍組は大杉勝男のみだ。広島も衣笠祥雄、金本知憲、山本浩二、新井貴浩、前田智徳、野村謙二郎と、6選手が生え抜きないし、キャリアをスタートさせた選手で、移籍組が5球団にまたがって2000安打を放った加藤英司の1人だった。

 ロッテは落合、榎本喜八、山内一弘、山崎裕之、有藤通世の5人が生え抜き、ないし、キャリアスタート選手で、移籍組は井口資仁、江藤慎一の2人。DeNAは石井琢朗、松原誠、谷繁の3人がそれにあたり、中村紀洋、江藤慎一、ラミレス、駒田が移籍組だ。西武は秋山幸二、清原和博、松井稼頭央、和田一浩と4人が生え抜き、出身選手で、土井正博、山崎裕之、江藤慎一は移籍組になる。

 オリックス(前身の阪急、そして近鉄も含む)は2000安打達成者が6選手でイチロー、中村紀洋、加藤英司、福本豊、土井正博が生え抜き、または出身者で、新井宏昌が移籍組。日本ハムは生え抜き、出身組が張本勲、大杉勝男、小笠原道大、田中幸雄の4人、移籍組が大島康徳、稲葉篤紀の2人。歴史の浅い楽天は、中村紀洋と松井稼頭央の移籍組2選手となっている。

 意外なほどに少ないのが、2017年に鳥谷敬が2000安打に到達した阪神。プロ野球発足時から歴史を紡いできた球団だが、これまでの2000安打達成者は6人。生え抜き、キャリアをスタートさせた選手は藤田平、鳥谷の2人しかおらず、山内一弘、金本知憲、新井貴浩、福留(日米通算)と移籍組が4人となっている。

(Full-Count編集部)

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