県内有数の葉タバコ産地の五島市で22日、今年産の栽培が始まった。増田町の育苗ハウスで「播種(はしゅ)祭」があり、生産者や行政、農協関係者らが種をまき、昨年に続く豊作を祈願した。
西九州たばこ耕作組合によると、同市内では昨年、農家59人、計約1万2200アールで葉タバコを栽培。気候条件に恵まれ、目標を大きく上回る10アール当たり298キロ、総重量約363トンを収穫。例年にない豊作で、前年比約2億1200万円増の約7億5400万円(税抜き)を売り上げた。
今年の収量の目標は10アール当たり253キロ、総重量290トン。この日は、粒状の種を水に混ぜ、ハウス内の苗床に、じょうろで丁寧にまいていった。5日前後で発芽し、その後、各農家が持ち帰って3月上旬に畑へ植え替え。5月上旬~7月に収穫する予定という。
健康への影響などから、たばこを巡る見方や環境は以前より大きく変わり、農家、面積とも年々減っているが、同市内では他地域より若い農家も多い。同組合の高部誠副組合長(65)は「雨風で左右されるが、昨年に続く豊作に期待。高い質を目指していきたい」と話した。