医師退職原因をあす知事に報告 がんセンター調査委

 県立がんセンター(横浜市旭区)で放射線治療専門医の退職が相次いでいる問題で、原因究明を進めている県の調査委員会は22日に最終会合を開き、調査結果を24日に黒岩祐治知事に報告し、公表することで一致した。知事は退職原因や浮かび上がった課題をはじめ、医師確保の見通しを踏まえた今後の診療方針について説明する。

 県によると、調査結果は▽4人の医師が相次いで退職の意向を固めた経緯や理由▽がんセンターを含む県立病院機構の組織運営における課題−の2本を柱にまとめる。医師や関係者ら26人に実施した聞き取り調査では「退職理由に関する解釈の違い」(県幹部職員)があるといい、公表する報告書は固有名詞などを伏せた概要版とする。

 一方、県が調査と並行して進めている新たな医師確保の現状については、24日時点の中間報告とする方向。重粒子線治療をはじめとする放射線治療を2月以降も継続させるため、大学病院などに働き掛けている状況を説明するという。

 同病院の放射線診療部門では、専門医6人のうち2人が昨年末で退職、別の2人も今月末で退職する意向を示している。

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