高校野球連載 山本昌さん「全く違う人生に」

 49歳でプロ野球史上最年長勝利を記録し、50歳まで現役を全うした山本昌広さん(日大藤沢)。球界のレジェンドは「ボタン一つの掛け違いで、全く違う人生になった」と高校時代を振り返る。

 茅ケ崎市の松林中時代は2番手投手。だがエースが腰を痛め、左腕はチームを茅ケ崎市大会優勝に導く。日大藤沢への進学に自信は無かった。「当時の監督さんにお任せしました。やめておけと言われれば県立高にいくつもりだった」 日大藤沢3年時に「神奈川選抜チーム」が編成され、エースは三浦将明さん(Y校)の予定だった。しかし三浦さんが日本選抜に選ばれたため、山本さんが繰り上げで主戦に。韓国選抜を相手に好投し、中日スカウトの目にとまった。

 プロ入りも断るつもりだったという。「僕としては、飛び抜けた存在だったことが小学生の時から1度もなかったんですよ」−。

       ◇ 高校野球の夏の甲子園が今年、100回大会を迎える。全国屈指の激戦区・神奈川のスター達を訪ね、その魅力をさぐる100回連載。プロ野球界の「レジェンド左腕」、山本昌広さんの登場です。

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