2018長崎県知事選 候補者に聞く① 原口敏彦氏(56) 無所属 新=共産推薦

 人口減少や県民所得の低迷、石木ダム建設、旧県庁舎跡地活用-。知事選に立候補した現職の中村法道候補(67)と新人の原口敏彦候補(56)はこれらの県政課題をどう考え、解決に導こうとしているのか。12の質問に対する2人の答えを4回に分けて紹介する。

◎県政最大の課題

 課題は県民所得の低迷がもたらす人口流出に歯止めがかからず、少子高齢化も相まって県財政が厳しくなっていること。これまで県は厳しい財政の中でも新幹線、石木ダム、諫早湾干拓の予算は聖域化して推進してきた。このため県内の経済と雇用を支える中小企業、農業、漁業に対する支援策は不十分に。また、大型開発優先の県政が県民生活へのしわ寄せとなっている。

◎人口減少対策

 雇用の場を確保し、最低賃金を引き上げ、生活ができるような所得を得るようにする。また、県外に出て行った人たちが再び帰ってきたい長崎県をつくることも重要。そのために子育て支援策を抜本的に高める。兵庫県明石市は公共事業の見直しなどで財源を確保し、子育て支援策を充実。4年間で6000人の人口増、市の税収を約30億円増やした。

◎県民所得向上策

 県内のどの地域も網羅する介護・福祉事業を産業振興計画と結び付けて考える。高知県では介護の事業所から訪問先まで20分以上かかれば県が独自に補助をしている。このように介護事業者が撤退しないよう援助することで、過疎地の福祉の充実と、地域の産業振興と雇用確保につながり、所得向上にも貢献する。

© 株式会社長崎新聞社