新英金属、高浜工場(愛知)が竣工 大型重量物切断加工を強化

 中部地区大手鉄スクラップヤード業者の新英金属(本社・愛知県安城市、社長・金子豊久氏)は、昨春より愛知県高浜市内に建設を進めていた大型重量物切断加工(酸切加工)に特化した新工場「高浜工場」(高浜市新田町3―1―1、工場長・新實泰孝氏)が22日に竣工。今年4月より本格稼働を開始する。稼働後は、愛知県西三河エリアで集荷した大型重量物の切断加工を月1千~2千トンペース行い、グループ会社を含めた各工場の加工処理・物流効率を引き上げる。新工場の建設は田原工場以来、約8年ぶり。投資金額は用地取得費用を除き約6億円。

 これまで大型重量物は各工場で受け入れ、ガス溶断加工により、再資源化処理を行っていたが、受け入れ重量物によっては加工処理に時間を要することや、切断処理に携わる人員が限られており、一時的に集荷原料が急増した際には、構内物流の低下が避けられなかった。

 大型重量物を加工処理する専用工場の建設で、主に愛知県西三河エリアで集荷した大型重量物を新工場に集約させる。各工場の構内物流の整流化や効率的な加工処理、入出庫体制の実現で競争力を高める。

 愛知県高浜市の工業団地内に建設した新工場は、敷地約1万2200平方メートル。工場建屋1360平方メートル。主要設備は、大型重量物搬入用の30トンホイスト式門型クレーン(日立プラントメカニクス製)や東栄工場から施設した7・5トン天井クレーン、放射能探知機(エンヴィテック製)など。協力会社も含めて、10人体制でスタートする。大型重量物の切断加工のほか、近隣で顧客の鋳物メーカー向けの原料ストック拠点として活用する予定で、小口配送対応など顧客サービスも向上させる。

 22日に行った竣工式後の直会で、金子社長は「これまでの設備投資は既存工場のリフレッシュが中心だったが、今回はグループの業務効率化につながる新工場の建設となった。周辺環境に配慮し、地域に根差した工場として操業できるよう、協力会社とともに一丸となって尽力したい」と挨拶した。

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