北機関「対決狂信者に善意と雅量を施せない」

北朝鮮の対韓国窓口機関・祖国平和統一委員会(祖平統)の報道官(スポークスマン)は23日、訪韓した同国の調査団に対する韓国市民団体の抗議活動について「千秋に許せない特大型の犯罪行為」と非難する談話を発表した。同日、朝鮮中央通信が伝えた。

韓国で来月開催される平昌(ピョンチャン)冬季五輪に合わせた芸術団の公演に向け、玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏を団長とする7人の調査団が21日に韓国入りした。この際、ソウル駅前では保守系の市民団体が集会を開き、玄氏ら一行に罵声を浴びせた。

これに対して談話は「ソウルの中心で白昼に繰り広げられた特大型の挑発行為」としながら、「北南関係の改善と統一へ向かう民族史の流れに挑戦した逆賊一味の妄動がどの域に至ったのかを赤裸々に見せた」と指摘した。

また、市民団体が金正恩党委員長の肖像画や北朝鮮国旗などを燃やしたことについて、「天人共に激怒する蛮行まではばかることなく働いた」とし、「オリンピックを北南対決場につくろうとする故意の政治的挑発として、千秋に許せない特大型の犯罪行為である」と非難した。

さらに、「同族に対する初歩的な礼儀と道徳はおろか、人間の体裁を完全に喪失した人間廃物、生かしておくと民族に害悪だけを及ぼす歴史の汚物がまさに、かいらい保守一味である」と強調した。

つづけて、韓国政府が「保守悪党らの極悪非道な妄動とそれを黙認した」とし、「南朝鮮当局の誤った対処を絶対に許さないであろうし、冬季オリンピックに関連する今後の行動措置も慎重に考慮せざるを得ない」と五輪参加の撤回をほのめかした。

その上で、韓国政府に対して「保守やからの対決狂気によってオリンピック参加のための北南合意と日程が台無しになるなら、その全責任は保守一味と南朝鮮当局が負うことになるであろう」と忠告。「われわれは、北南関係を大事にするが特大型の挑発行為に執着してわれわれの最高の尊厳と国家の神聖な象徴にあえて挑戦した対決狂信者らの不作法な妄動を見てまで引き続き善意と雅量を施す考えはない」とクギを刺した。

© デイリーNKジャパン