農水省「基金が最良」 諫干問題で意見交換 開門派は反発

 国営諫早湾干拓事業の開門調査を求める漁業者や弁護団と農林水産省が定期的に実施している意見交換が23日、諫早市内であった。同省は「開門より(漁業振興)基金が最良」として、基金案の受け入れによる和解に改めて理解を求めたが、開門を求める漁業者側は反発し、議論は従来と同様に平行線をたどった。

 弁護団は国が今月、佐賀県有明海漁協に対し、基金受け入れを前提に漁協側が要望する排水ポンプ増設に応じる計画を示したことを「外堀を埋めるようなやり方」と非難。弁護団の堀良一事務局長は、同省が開門確定判決の原告以外の漁業者に「基金を500億円に増額する」と提案したとの情報の真偽をただしたが、同省は「そのような事実はない」と否定した。

 馬奈木昭雄弁護団長は関連訴訟での和解協議などと別に、漁業者と営農者、国の3者で議論する場を設けるよう求めたが、同省は終了後の取材に「開門問題と関係なく、設定しない」と述べた。

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