子どもの友人関係学ぶ 川崎宮前市民館で連続講座始まる

 子どもたちの友人関係を考える全6回の連続講座が23日から、川崎市宮前区の宮前市民館で始まり、子どもたちが抱えている「生きづらさ」や「不安」について、専門家が講演した。同市民館が2017年度の平和・人権学習会として主催し、20人の募集に対して27人の応募がある反響で、受講枠を広げた。

 この日は筑波大学の土井隆義教授(社会学)が講師を務めた。土井教授は中高生を中心に今の子どもは家族や学校教諭との世代間ギャップが薄れて不満が減っている一方、生徒同士での関係が壊れて孤立することに不安が高まっていると指摘。その解消のための装置としてスマートフォン(スマホ)で「いつメン」(いつも一緒のメンバー)とつながりを持ちながら、疎外やいじめに遭わないための「キャラ」を演じているとした。

 スマホへの依存は「好きでやっているのではなく、返信しないと日常の友人関係に支障を来すために自分の意思ではやめられず、孤立への不安の中で使っている」と実態を紹介。子どもが自分自身への見方を変えられるよう、周りの大人が支援することの必要性を訴えた。

 受講者の男性(64)は「放課後の小学生らに学習支援をしている。その子たちが将来直面する問題として大変参考になった」と話していた。

© 株式会社神奈川新聞社