【特集】2018年F1ドライバー推定年俸ランキング(後編):ふたりの王者を擁する跳ね馬の報酬額は?

 F1ドライバーの契約内容は言うまでもなく公にはされず、中でも年俸に関しては極秘中の極秘事項である。しかしTSMスポーツの公式サイトはあえてそのタブーに踏み込み、あくまで推定値ではあるものの全20名のドライバーの2018年の年俸を公表した。F1iではそこに、スパイスの効いたコメントを付け加えランキング形式で紹介している。

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●2018年:F1ドライバー全20人の推定年俸(1位~10位)

10位:セルジオ・ペレス(フォース・インディア)推定500万ドル(約5億5000万円)

 今やベテランドライバーの域にあるペレス。メキシコのスポンサーから惜しみない援助を受けているだけでなく、フォース・インディアの報酬も得て、500万ドルの大台に達した。この額に値する実績を得ているといえよう。

9位:ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)推定550万ドル(約6億円)

 ルノーは昨年、ヒュルケンベルグを是非とも獲得したいと熱望し、かなりの大盤振る舞いをしたとのことだ。この年俸に加え、結果に応じたボーナスを受け取ることになっているはずである。

8位:ダニエル・リカルド(レッドブル)推定600万ドル(約6億6000万円)

 獲得ポイントに応じて、たとえば去年はこの基本年俸の倍額の報酬を得ているはず。とはいえすでに何度も優勝を経験し、未来の世界チャンピオンと目される逸材としては、決して高い年俸ではない。しかし数カ月後に始まる来季以降の契約更改交渉では、間違いなく10億円以上の額が提示されることだろう。

7位:ストフェル・バンドーン(マクラーレン)推定700万ドル(約7億7000万円)

 バンドーンがトップ7入り!まさかそれはないというのが、われわれの正直な感想だ。もし実際にこれだけの報酬を得ているとしたら、明らかに過大評価である。才能は認めるが、まだ1シーズンを経験したのみ。期待に見合った実績は、ほとんど築いていない。控えめに言っても、実際の報酬はせいぜいこの半額なのではないか。

6位:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)推定1000万ドル(約11億円)

 フェルスタッペンは昨年10月、レッドブルと新たに3年契約を結んだ。それだけ長期間の契約を結ぶのに、これだけの巨額を20歳になったばかりの若者に提示する必要があったということだ。しかし彼の才能を思えば、決して高い買い物ではあるまい。今後、契約更新のたびに、どんどん高騰していくことだろう。

5位:バルテリ・ボッタス(メルセデス)推定1200万ドル(約13億2000万円)

 メルセデス2年目に際して、ボッタスはこの額を獲得した。とはいえバンドーン同様、明らかに過大評価である。実際には基本給はずっと少なく、期待値いっぱいの結果を出して、この額ということではないか。

4位:フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)推定3000万ドル(約33億円)

 これまでの3年間、アロンソの給与の大部分はホンダが負担していた。提携解消された今季は、ややサラリーカットされたはずである。ただしその分は、個人スポンサーとボーナスで補填されたことだろう。今のアロンソに3000万ドルは、ちょっと払い過ぎという印象だ。

3位:キミ・ライコネン(フェラーリ)推定4000万ドル(約44億円)

 米ドルではなく、旧イタリアリラかと一瞬思った。TSMのこれまでの推定値の中でも、最も驚きの金額と言わざるをえない。ここ数年の実績からすれば、この4分の1が妥当だろう。実際2017年のキミの年俸は、700万ドルと言われていた。それがフィアット総帥セルジオ・マルキオンネに「のろま」と揶揄されたにもかかわらず、4000万ドルに大幅アップしたというのか。いやはや……。

2位:ルイス・ハミルトン(メルセデス)推定5000万ドル(約55億円)

 ハミルトンがF1を代表する大スターだとしても、過大評価であろう。CM出演料などすべて含めた金額なら理解できるが。しかし今シーズン末で期限を迎える契約の交渉は、今も続いている。残留してほしいと思ったら、メルセデスはこの程度は払うべきだとハミルトンは思っていることだろう。

1位:セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)推定6000万ドル(約66億円)

 実に気前がいいとしか言えないが、契約にはかなりの縛りが入っていると思われる。2017年の契約更改の際、ここまでの額にこぎ着けたと言われているが、実態は4000万ドル程度ではないだろうか。

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