新日鉄住金音楽賞、フレッシュアーティスト賞に景山さん(ハープ奏者)

 新日鉄住金は24日、日本の音楽文化発展と将来を期待される音楽家の活躍の支援を目的とする「新日鉄住金音楽賞」の第28回受賞者を発表した。優れた若手に贈るフレッシュアーティスト賞には、ハープ奏者の景山梨乃さんが選ばれた。ハープ奏者の受賞は初。クラシック音楽をベースに活動している個人を対象にした特別賞は、今回初めて該当者なしとした。

初の特別賞〝該当なし〟

 景山さんは1990年3月、東京都生まれ。8歳からハープを始め、2008年に東京芸大に入学。在籍中に福島賞、平山郁夫文化芸術賞を受賞した。11年にはパリ・エコールノルマル音楽院で最高ディプロマ(卒業証明書)を審査員満場一致での特別評価を受けて取得。その後はベルリン芸術大で学びながら、ベルリン・フィル・カラヤンアカデミーも修了した。現在は東京交響楽団に所属し、首席ハープ奏者として活躍している。

 受賞歴では、08年に3年ごとに開催のリリー・ラスキーヌ国際ハープコンクール・シニア部門で2位(1位なし)、16年に伝統があり難関とされるドイツ・ミュンヘンARD国際音楽コンクールで3位など、数多くの賞を獲得している。

 今回の贈賞理由で選考委員を務めた音楽家の松本學氏は「世界最高の水準にあるハーピスト」と評価。さらに「輝かしい音色、柔軟な音楽性などの秀でた才能に併せ、ソリスト(独奏者)、室内楽奏者、さらにはオーケストラの正団員として幅広く活躍していることから、ハープの魅力と可能性を今後長きにわたり知らしめてくれるアーティストとして期待される」と賛辞を贈った。

 受賞記念コンサートは7月17日、東京・千代田の紀尾井ホールで開かれる。

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