昭和電工、半導体向け高品質エピウェハーの能力増強

 昭和電工は、パワー半導体の材料である炭化ケイ素(SiC)エピタキシャルウェハー(エピウェハー)の高品質グレードエピウェハー「ハイグレードエピ(HGE)」について、追加の能力増強を決めたと発表した。

 需要の急増を受けて、現在進行中の設備投資では年央までに能力が不足してしまうと判断したため、秩父事業所に追加投資を実施して能力を一段引き上げる。

 月産能力は4月に現在の6割超の5千枚に拡大するが、追加増強によって9月には7千枚まで生産能力が高まる見通し。

 SiCパワー半導体は、従来の電源用途に加えて、車載への実装に向けた動きが具体化しており、鉄道車両のインバータモジュールのほか、急速に伸長する電気自動車市場においても、車載充電器や急速充電スタンドでSiCパワー半導体への切り替えが進んでいる。昭和電工のSiCエピウェハー事業は、業界最高水準であるHGEの欠陥密度の低さと高い均一性が評価され、市場成長を上回る伸びを示している。

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