定位置争いに新風、新人3人&育成2人が参加…巨人1軍キャンプ抜擢の若手

昨年には侍ジャパン社会人代表として活躍した田中俊太【写真:Getty Images】

育成契約最長8年目の成瀬、正捕手・小林の座を狙う新人捕手も

 球春到来まであとわずか。12球団が一斉にキャンプインとなる2月1日が、目前に迫ってきた。果たして、各球団どんな1年を送ることになるのか。1年を戦う土台作りとなる春季キャンプは、シーズンを占う重要な1か月となる。

 各球団のキャンプで大きな楽しみとなるのが、若手の成長、台頭だろう。昨季セ・リーグ4位に沈み、球団史上初めてクライマックスシリーズ進出を逃すことになった巨人は、V奪還に備えるキャンプで多くの若手選手を1軍キャンプに抜擢した。

 巨人は、まず1軍、2軍揃って宮崎市内でキャンプイン。1軍メンバーは13日まで1次キャンプを張り、14日に沖縄入り。15日から沖縄・那覇で2次キャンプをスタートさせ、28日に打ち上げる。その1軍キャンプにはドラフト2位の岸田行倫捕手をはじめ、3人のルーキーが抜擢。育成選手2人もメンバーに名を連ねた。

 ここでは、巨人の1軍キャンプに抜擢された期待の若手選手(1軍通算10試合出場未満)をピックアップしてみた。

○谷岡竜平投手(21歳)
1軍通算5試合0勝1敗0セーブ 防御率12.00
 成立学園高から東芝を経て、巨人に入団した2016年ドラフト3位の右腕。1年目だった2017年は開幕1軍入りを果たし、5試合に登板したが、防御率12.00と結果は出ず。それでもイースタン・リーグで33試合に登板して4勝2敗、防御率2.98の成績を残す。イースタン選抜として参加したアジアウインターリーグは5試合で1勝3敗、防御率5.21だった。

○成瀬功亮投手(25歳、育成)
1軍登板なし
 北海道の旭川実業高から2010年の育成ドラフト6位で入団し、12球団で育成契約最長となる8年目を迎える右腕。入団から右肩手術や血行障害など故障に苦しんできたが、2017年にイースタン・リーグで16試合に登板、0勝0敗、防御率3.18。イースタン選抜として参加したアジアウインターリーグでは9試合、12イニングに投げて無失点。防御率0.00をマークし、1軍キャンプに抜擢された。

○岸田行倫捕手(21歳、新人)
 報徳学園高から社会人の大阪ガスを経て、ドラフト2位で巨人入りした捕手。強肩から繰り出すスローイングには定評があり、打撃面の評価も高い。正捕手の小林誠司を脅かす存在として期待されており、ルーキーながらキャンプ1軍スタートとなった。

内野の定位置狙う16年ドラ1吉川、ドラ5新人田中俊も抜擢

○田中貴也捕手(25歳)
1軍出場なし
 八重山商工高、山梨学院大から2014年の育成ドラフト3位で入団。2017年はWBCに出場していた小林誠司に代わって1軍キャンプに参加し、オープン戦も6試合に出場した。7月末に支配下契約となり、台湾で行われたアジアウインターリーグのイースタン選抜にも選ばれた。支配下2人、育成2人がドラフトで指名され、激化した捕手争いを勝ち抜けるか。

○吉川尚輝内野手(22歳)
1軍通算5試合11打数3安打0本塁打0打点 打率.273
 中京高校、中京学院大を経て巨人入りした2016年のドラフト1位。即戦力として期待されたルーキーイヤーはいきなりコンディション不良で出遅れ、1軍出場は5試合にとどまった。イースタン・リーグでは103試合に出場して打率.257。アジアウインターリーグでは69打数17安打、打率.246だった。内野の定位置獲り、2年目の飛躍が期待されている。

○若林晃弘内野手(24歳、新人)
 桐蔭学園高、法政大、社会人のJX-ENEOSと渡り、ドラフト7位で入団した即戦力内野手。2017年には侍ジャパン社会人代表にも選ばれているパンチ力のあるスイッチヒッターだ。父は1972年から1981にかけて大洋(現DeNA)に在籍した若林憲一氏。

○田中俊太内野手(24歳、新人)
 東海大相模高、東海大、日立製作所を経て、ドラフト5位指名を受けた内野手。2017年には侍ジャパン社会人代表に選ばれ、昨年「第28回BFAアジア野球選手権」での優勝に貢献した二塁手だ。広島・田中広輔内野手の弟で、背番号も兄がルーキー時代につけた「63」となった。

○松原聖弥外野手(23歳、育成)
 仙台育英高、明星大から2016年に育成ドラフト5位で入団。イースタン・リーグでは7試合出場、8打数0安打に終わったものの、3軍で100試合に出場して394打数131安打1本塁打38打点45盗塁、打率.332を記録。アジアウインターリーグでも61打数19安打、打率.311をマークしており、楽しみな外野手だ。

(Full-Count編集部)

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