WRC:マキネンも「本当に難しい」と評するモンテ初日はスピン続発も、トヨタは全車完走

 2018年、復帰参戦2年目のWRC世界ラリー選手権に挑んでいるTOYOTA GAZOO Racing WRT。第1戦モンテカルロの競技初日は3台のトヨタ・ヤリスWRCが完走し、総合4~6番手を獲得した。

 モナコ公国とフランスの2カ国で争われるラリー・モンテカルロ。25日の競技初日は現地17時50分からモナコ公国のカジノ広場でセレモニアルスタートが行われ、大勢の観客が見守るなか、2018年シーズンが幕を開けた。

 その後、ドライバーたちはフランス山中を約190km走行してSS1のスタート地点となるトアールへ。

 ここからシステロンへ向かう36.69kmのSS1は今大会最長距離であると同時に、ドライのターマック(舗装路)や雪、凍結路面などが入り交じる上、ナイトステージで視界が制限されるという、シリーズ屈指の高難度を誇るステージだ。

 ここでは、初日総合首位につけたセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)をはじめとして、多くのドライバーがアイスバーンに足元をすくわれスピン。トヨタ勢もオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)とヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)がスピンするアクシデントがあった。

エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)

 しかし、このアクシデントでマシンに大きなダメージを負うことはなく全車ともSS1~2を走破。新進気鋭の若手、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が陣営最上位となり、トップと37.4秒差の総合4番手につけた。

 また、SS1でスピンしたタナクが総合5番手、ラトバラが総合6番手とトヨタ勢がそろって中団を確保。3台ともトップとは1分以内のギャップに留まっている。

■マキネン、モンテ初日の難しさは「ステアリングを握る立場でなくてよかったと思えるほど」

 チーム代表を務めるトミ・マキネンは「予想していたとおり、システロンのSS1はどのドライバーにとってもドラマティックなものになった」と走行を総括する。

「暗闇のなか、最初のステージに臨むというシーズンの始まりかたは、WRCのなかでも本当に難しいものなんだ。自分がステアリングを握る立場でなくてよかったと思えるほどだよ」

TOYOTA GAZOO Racing WRTでチーム代表を務めるトミ・マキネン

「我々のドライバーはいいポジションでサービスに戻ってくることができたし、明日はもっと違う内容のラリーになると思う」

 陣営のなかでもっともラリー・モンテカルロの経験が少ないなか、総合4番手につけたラッピは「正直なところ、今日のリザルトを見てとても驚いている」とコメントしている。

「最初のステージはとても難しいコンディションだったけど、うまく走ることができたよ」

エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)

「2本目のSSは他の選手たちがよく知っているステージで、昨年自分はあまりうまく走れなかったから、タイムを失うことになるだろうと予想していた。道にはすでに多くの砂利が出ており、汚れた路面での自信を少しなくしていたから、少し慎重に走り過ぎたかもしれないね」

 26日の競技2日目はフランス・ギャップに設けられたサービスパークの南側でSS3~8の6SSが争われる。このうち、SS4とSS7はこの日最長となる30.54kmのロングステージだ。

 6SSの合計距離は144.88km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は446.60kmとなっている。

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