スピード感にあふれ、多彩(たさい)な足技(あしわざ)がくり出される韓国(かんこく)の国技(こくぎ)であるテコンドー。そのはげしい格闘技(かくとうぎ)の世界で戦い、全日本選手権(けん)女子62キロ級を2連覇(れんぱ)した平林霞(ひらばやしかすみ)選手(海星高2年)からのメッセージです。
5歳(さい)のとき、友達にさそわれて森顕(もりけん)先生が教える長崎市内の森道場で始めたテコンドー。蹴(け)るのが楽しくて、友達と競うのも面白くて続けました。試合で勝つのはうれしいし、相手が何もできないくらい圧倒(あっとう)して勝つのが気持ちいいです。
テコンドーは蹴りが中心の、キックボクシングみたいなもの。相手の頭部をねらうと得点が多く入ります。テコンドーのことを知らない子が多いけど、自分が有名になればみんなに知ってもらえると思ってがんばっています。
練習は市内の体育館で週3回。以前は練習をサボることもあったけど、昨年6月に世界選手権に出て、レベルのちがいを知り、道場以外でも自主練習するようになりました。今は何においてもテコンドーが一番です。
長崎ではテコンドーをしている人がまだ少なく、練習をする相手もなかなかいない苦しい環境(かんきょう)です。「こう蹴ってきたらこう対応(たいおう)しよう」と、相手をイメージしながら練習しています。練習環境はいいとは言えないけど、小学生も
いっしょに練習するので、いやされもします。
わたしがテコンドーをやってきて思うのは、何よりも楽しむこと。スポ
ーツでも勉強でも、楽しければくり返しできる。友達もできたし、人間関係も広がりました。
強くなっていく上で、大切にしている言葉があります。小学6年生のときに読んだ漫画(まんが)「スラムダンク」の「あきらめたらそこで試合終了」という言葉です。試合で、最終3ラウンドの残り3秒ギリギリで勝ったことがあり、言葉通りだと思いました。
わたしは足のリーチが長いので、上段(じょうだん)の蹴りが得意。かかと落としが武器(ぶき)です。世界選手権では初戦で負けたけど、大会前に韓国の代表選手と練習して、間合いの取り方や距離感(きょりかん)がうまくつかめるようになりました。
これからは、まずアジア選手権でいい結果を残す。そして、2020年の東京オリンピックを目指します。みんなには、もっとテコンドーを知ってほしい。そして、いっしょにやりたいな!
◎プロフィル/ひらばやし・かすみ
2000年5月15日生まれ。長崎市立小島小-海星中。小学3年の全日本ジュニア選手権(けん)で優勝(ゆうしょう)。16年、世界ジュニア選手権に出場し、17年には世界選手権日本代表に選ばれた。今年1月21日、全日本選手権で2連覇(れんぱ)。175センチ、62キロ。17歳(さい)。