復興と自然学ぼう 被災地NPOが出前授業

 南相馬市で自然、農業、環境、歴史などの地域資源を生かした体験活動を行う南相馬サイエンスラボ(MSL)理事長でバイオ医学研究者の齋藤実さん(46)が講師。齋藤さんは同市の現状について、「震災、津波、放射能汚染が重なったが、除染も進み避難していた人々も戻ってきている」と語った。

 自然と人間の関わりを学ぶ素材として、蜂を通じた食物連鎖や生態系について分かりやすく説明。岩手県西和賀町で養蜂を営む高橋正利さん(61)らが現場の様子を伝え、蜂蜜作りの実験をした後、参加者みんなで試食した。

 子どもたちは「女王蜂が死んだらどうなるの」などと質問。「巣箱で指揮を執っている働き蜂が新たな女王蜂を育てる」との答えを興味深そうに聞いていた。

 MSLの活動を支援する川崎市幸区の市民グループ「世研話」は、被災地の現状と市民の心情を知ってもらおうとツアーを実施。南相馬市内の縄文遺跡や製鉄遺跡見学、米作り体験などを行っている。問い合わせは、須摩修一さん電話090(2521)1996。

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