MLB公式サイトが分析、大谷が「若手NO1」に選出された「4つの理由」とは

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

「右投手」1位&「外野手」4位、MLB公式サイトが見る“二刀流”大谷の魅力とは…

 日本ハムからポスティングシステム(入札制度)でエンゼルスに移籍した大谷翔平投手が、27日(日本時間28日)に発表されたMLB公式サイトの若手有望株格付けコーナー「MLBパイプライン」の最新ランキングで堂々の1位に選出された。スカウトや球団幹部の評価を基に決められたもので、部門別では「右投手」で1位、「外野手」で4位となっている。

 MLBには、とんでもない能力を持った若手選手がゴロゴロいるが、今季は23歳の大谷がトップに君臨することに。当然、新人王の最有力候補とも見られている。これを受けて、MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」では「ショウヘイ・オオタニがMLBパイプラインのNO.1有望株に選出された理由4つ」と題した特集記事を掲載。二刀流右腕の魅力を“解析”している。

 1つ目の理由は「パワー」だ。記事では「彼はメジャーリーグの投球に適応するまで少し時間がかかるだろう」として、まずは打者としての能力を評価。「しかし、オオタニはNPB5シーズンで打率.286、出塁率.358、長打率.500を記録した。物理的に球場には収まらないようなパワーに賭けるのは、常に良い考えである」と称えている。

 そして、2番目で挙げられているのが、日本ではNPB史上最速の165キロを記録した「ファストボール」だ。適応までに時間がかかる可能性はあるものの、投手としての能力自体に疑いの余地はない。「オオタニは多くの有望株とは異なっている。打撃も良いが、おそらくマウンド上の彼の方がさらに素晴らしいだろう」と指摘している。

 さらに「彼は日本で先発投手として防御率2.69を記録しており、543イニングで624打者を三振に仕留めている」と奪三振能力の高さも特筆。「このようなファストボールで、だ」と2014年の日米野球でメジャーの猛者を手玉に取った投球の動画を紹介し「理由を知るのは難しいことではない」と絶賛している。

4つ目の理由は「謎めき」!?

 3つ目の理由は、日本での“実績”。「彼はすでに大舞台で活躍している」。まだ未知数のマイナー選手よりも、計算できるとの評価だ。「最も素晴らしい有望株たちでさえ、予測が必要とされる。彼らはまだ若く、上手くいくかは分からないのだ」とした上で、大谷が2016年の日本シリーズで残した“実績“について言及している。

「2016年の日本シリーズで、オオタニの日本ハムファイターズが遅れを取っていた時、この右腕は復活の口火を切った。第3戦目でDHとして先発し、オオタニは3安打、1得点、1打点を記録し延長で勝利した。最終的にファイターズは日本シリーズ制覇を果たした。オオタニは打率.375、出塁率.412、長打率.625、二塁打4本を記録している」

 広島に敵地で2連敗を喫した日本ハムは、大谷のサヨナラタイムリーで本拠地での第3戦に勝利すると、そのまま4連勝でシリーズを制覇。大舞台での強さが証明されているという点で、大谷と他の若手選手は一線を画するというのだ。

 そして、「Cut4」が最後に挙げている理由は「謎めき」。記事では「オオタニは単なる野球選手以上だ。エンゼルスは洗練されたお笑い芸人を得ることになるだろう」と指摘。本拠地エンゼルスタジアムでの入団会見で大谷が見せた“ユーモア”に、米メディアも好印象を抱いているようだ。さらに「最も重要なのは、おそらく彼は球界最高のダンサーである」とも冗談交じりに紹介。昨年11月26日のファンフェスティバルで大谷が披露した「ムーンウォーク」の動画を掲載している。

 NO1若手選手として、その一挙手一投足に注目が集まることになる大谷。日本では、ファンやメディアの想像を上回る漫画のようなプレーをいくつも見せてきただけに、メジャーでも周囲の度肝を抜いてもらいたいところだ。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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