インドネシア・輸入鉄鋼製品の新通関制度、商業省の追加検査、実施せず

 インドネシア政府が2月から新たに導入する輸入鉄鋼製品の通関制度の概要が明らかになった。当初の新制度案では、商業省による通関後検査が追加される方向だったが、同国政府が今週出した新制度概要は、商業省による検査を実施しない内容で、日本の鉄鋼業界が懸念していた通関の遅れが生じる事態は回避される見通しとなった。輸入業者が輸入ライセンスを取得する際に必要だった工業省の技術診断書の提出も不要となる。

日本側の「通関遅れ」懸念後退

 技術診断書をめぐっては、工業省の判断によって輸入数量を制限されるケースもあった。日本側は、経済産業省や現地の商工会議所などを通じて、インドネシア政府に対しWTO(世界貿易機関)ルール上の問題点などを指摘してきた。こうした働き掛けが奏功した形だ。

 インドネシア政府は今回の制度改定に当たり「規制緩和」のためと説明していたが、当初案にあった商業省の通関後検査が実施された場合、通関時間が長くかかり、保税費用の負担が増すといった懸念があった。

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