陸上で「人間力」育成 相模原陸協会長神藤さん

 相模原市陸上競技協会会長の神藤昭嘉さん(70)=同市緑区=が日本体育協会の2017年度公認スポーツ指導者表彰を受けた。国体の監督として競技力向上に貢献したほか、都道府県対抗女子駅伝チームを全国優勝に導いた功績などが評価された。現在ジュニア選手を指導する神藤さんは「多くの方に支えられて陸上の道で長年携わることができた。感無量。今後も子どもたちに伝えていきたい」と意気込んでいる。

 神藤さんは陸上の強豪・福岡大付属大濠高校、日本体育大学を卒業。市立旭中学校や県立の上溝南高、荏田高、相模田名高で体育教師を務めた。県陸上競技協会の強化委員として、国体の監督、コーチとしても手腕を発揮。1987年の全国都道府県対抗女子駅伝では県代表チームの監督として全国優勝に導いた。また、日体大では箱根駅伝のコーチを5年務め、谷口浩美選手(バルセロナ五輪日本代表、8位入賞)を育てるなど優勝2回を経験している。

 長距離専門だった神藤さんが、陸上競技全般を教える日本体育協会陸上競技上級コーチ資格を取得したのは95年のこと。「オールラウンドの指導を目指したい。生理学など自分でも勉強しないといけないことがたくさんある」と自覚。十数冊の教本で学び、10泊の泊まり込み合宿や年2回の試験を経て、難関を突破した。

 現在は相模原ギオンスタジアム(同市南区)でジュニア向け陸上教室を開催している。前期は短距離や投てき、跳躍などを260人に教え、後期は長距離を中心に210人を指導する。

 「人間力なくして競技力向上はなし」という言葉を座右の銘に、ジュニア選手の指導に当たる。子どもたちの元気を発信させるのがスポーツの魅力と認める一方、「勝ち負けの前に、人とのつながりを大切にし、人生で粘り強い子を育てなくてはいけない。体力が続く限り、育成に携わりたい」と思いを新たにしている。

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