【MLB】世界一貢献の元中日パウエル氏、前立腺癌を告白 一時は骨に転移と診断も…

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今季から米球団ジャイアンツの打撃コーチを務めるアロンゾ・パウエル【写真:Getty Images】

昨年はアストロズで世界一に貢献、「2017年は人生最高の年だった」が…

 中日で3年連続首位打者に輝くなど、NPBで活躍したアロンゾ・パウエル元外野手は、昨季アストロズの打撃コーチ補佐としてワールドシリーズ制覇に貢献。今季はジャイアンツの打撃コーチに就任したが、前立腺癌との闘病生活を送っていることが明らかになった。米スポーツ専門メディア「アスレチック」が報じている。

 生まれ故郷サンフランシスコの名門に打撃コーチとして凱旋することになった53歳のパウエル氏。昨季は貧打に苦しんだジャイアンツの再建を期待されたが、1月2日に思いもしなかった悲報を聞かされることになったという。元日にカレッジフットボール全米王者決定戦ローズボウルを観戦し、その翌日に医師から「前立腺癌」と宣告されたというのだ。

 そして、2月13日にアリゾナ州スコッツデールで迎えるスプリングトレーニング初日に向け、心を踊らせていたパウエル氏は、今月30日に手術を受けることになったと記事では伝えている。

「私はドクターと(夫人の)ジャナを見てこう言ったんだ。『2017年は人生最高の年だった。ワールドシリーズも優勝して、ジャイアンツの一員になれるチャンスを手にした。今、私のスーナーズ(1月1日のローズボウルで敗れたオクラホマ大)は敗れ、そして、前立腺癌になってしまった。2018年の2日目にして私は2打数0安打になってしまったんだ』」

 パウエル氏は天国から地獄に転落した瞬間をこう振り返ったという。

「笑い飛ばせなかったよ。深刻だったんだ。本当に信じられない状況だよ。病に悩まされたりしたことはなかった。ジャマはいつも自分は絶対に病んだりしないと話していた。自分の中で、病気にはならないと言い聞かせていた。自分はこれまでの人生で比較的に幸運だったんだ。だから、病気はしないと。ポジティブ志向のパワーなんだよ」

一時は骨に転移と診断、ジャマ夫人は「いずれにしても、戦いになる」

 その後の精密検査で癌細胞は骨にまで転移していることを診断されたというパウエル氏。病状は進行しており、手術も不可能で、夫妻は厳しい化学療法と放射線治療を覚悟していたと、記事では言及している。

 だが、ジャイアンツが病魔に苦しむパウエル氏に救いの手を差し伸べた。チームドクターのロバート・マレー氏がパウエル氏の最初の診断結果に疑いの視線を向けたというのだ。そこで、マレー氏の手配で骨のスキャンを再度行ったところ、骨への癌細胞の転移はなかったと確認されたという。

 そこで事態が一気に好転。前立腺癌の除去手術を受けることが決まった。ダイヤモンドバックスのメディカルスタッフをサポートしているジルベルト・ブリトー医師の最新技術で開腹の範囲はわずか2センチで、術後2日後には退院も可能になるという。数週間は放射線治療のため通院することになるが、チームのアリゾナキャンプには初日から参加できる見込みとなった。

 ジャマ夫人は記事の中で「2週間、私たちは癌の転移について考えていました」と安堵の声を漏らしている。その一方で、楽観視はしていない。「いずれにしても、我々は戦わなければいけないことはわかっています。化学療法と放射性治療になるか、前立腺手術と放射線治療になるか、どうかの違いなのだから。いずれにしても、戦いになるわね。彼が勝つことになるけれど」とも話している。

「こういう状況に陥った時、誰が自分をそばで支えてくれているか、本当に気付かされるんだ」

 同メディアの取材に対して、こう語ったというパウエル氏。前立腺がんと名門ジャイアンツの打撃復活という2つの戦いに挑むことになる。

(Full-Count編集部)