ミサイル備え図上訓練 市民の避難手順確認

 海外でミサイルが発射され、神奈川県横須賀市など基地を抱える国内4都市でミサイル弾頭が爆発した、という想定での「国民保護訓練」が29日、横須賀市役所で行われた。

 市、県、県警、自衛隊、海上保安部などの各機関が参加し、市民を安全に避難させる手順を図上で確認した。

 訓練は「核実験およびICBM(大陸間弾道ミサイル)発射実験を繰り返しているN国」からミサイルが発射され、いずれも米軍と自衛隊の基地がある横須賀、三沢(青森県)、岩国(山口県)、佐世保(長崎県)の各市でミサイル弾頭が爆発。横須賀の武山上空では火の玉とともに爆風が発生し、キノコ雲ができた、などという想定で行われた。

 市危機管理課を中心に情報収集とともに次々に変わる状況に応じて対応策などを調整。地図上に被害状況などを書き込んだり、屋内退避を呼び掛けるよう報道機関に要請したりする場面も見られた。

 市の小貫和昭・市民安全部長は「関係機関が一堂に会して何ができて何ができないかを確認する訓練は必要で、目的は達成できた」と強調。今回の想定については「結構、現実的。他国では現に核実験や弾道ミサイル発射実験を繰り返している国がある」とする一方、「(訓練を)行わないで済む世の中が早く来ることを願っている」とも述べた。

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