UDタクシー普及支援 神奈川県予算案に補助金計上

 障害者の社会参画を促そうと、神奈川県がユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)の普及に乗り出すことが29日、分かった。2018年度当初予算案に車両購入の関連補助金を計上。既に実施している横浜、川崎両市では、国に加えて県の補助金も上乗せが可能となる。20年度までにUDタクシーを含めた福祉車両を2千台まで引き上げたい考えだ。

 県内のタクシー会社やNPO法人などが対象。タクシー事業者に対しては、横浜市は1台当たり12万円、川崎市は同20万円の補助を導入しており、県も同規模の助成額とみられる。国土交通省は同じく最大60万円の補助制度を設けている。

 県タクシー協会によると、リフトやステップなどを備えたUDタクシーの価格は、従来のセダン型に比べると100万円程度高い約300万〜350万円。国、県、市の補助を組み合わせることで200万円台に抑えられ、初期費用の負担を軽減できる見通しだ。

 国は東京五輪・パラリンピックを機に公共交通のバリアフリー化を推し進めている。20年度までに福祉タクシーを全国で2万8千台配備すると掲げ、都内では約5万台のうち2割程度が車いす対応となる方針だ。

 県内のタクシーの総車両数は約1万3千台。うち、福祉対応タクシーはNPO法人が手掛ける車両も含め、15年度末で1458台が稼働している。

 UDタクシーを巡っては、昨秋、トヨタ自動車が車いす利用者だけでなく外国人観光客も意識した「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」を発売したこともあり、普及の動きが加速。五輪のセーリング競技会場となる県内では、東京五輪・パラリンピック特別仕様のナンバープレートを取り付けた車両がお目見えしており、機運の高まりにも期待がかかる。

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