新人6人抜擢でワースト96敗から巻き返し ヤクルト1軍キャンプ期待の若手

ヤクルト・寺島成輝【写真:荒川祐史】

昨季は45勝96敗2分の借金51、96敗は球団ワースト記録

 2018年のプロ野球シーズン到来が目前に迫ってきた。各球団が一斉にキャンプをスタートさせる2月1日まで、あと数日。プロ野球ファンの心躍る季節が、いよいよやってくる。

 昨季、最も12球団で苦い思いを味わったのはヤクルトだっただろう。シーズンを通して怪我人が続出し、それを跳ね返せることは出来ず。前半戦だけで2度の2桁連敗を喫するなど、厳しい1年となった。45勝96敗2分で、借金は51を数えた。シーズン96敗は球団ワーストだった。

 昨季限りで真中満監督が辞任し、小川淳司SDが新監督として復帰。宮本慎也氏がヘッドコーチとして入閣し、広島の連覇に貢献した石井琢朗、河田雄祐両コーチもチームに加わった。新体制で春のキャンプに臨む。

 ヤクルトの春季キャンプは1軍が沖縄の浦添市で、2軍が宮崎の西都市で行われる。手薄な選手層に厚みを持たせる必要もあって1軍キャンプには数多くの若手選手を組み込んだ。中尾輝はキャンプ直前にインフルエンザを発症したため、2軍スタートとなったが、なんと新人6選手が1軍スタート。ここでは、ヤクルトの1軍キャンプに抜擢された1軍出場10試合未満の期待の若手をピックアップしていこう。

○大下佑馬投手(25歳、新人)
 崇徳高から亜細亜大、三菱重工広島と渡り、ドラフト2位でヤクルトに指名されたルーキー右腕。身長179センチと大柄ではないが、最速150キロを誇る本格派だ。5種類の変化球も操り、手薄な先発投手陣に割って入る即戦力の存在として期待を寄せられている。

2016年のドラフト1位寺島はウインターリーグで防御率1.17と好投

○寺島成輝投手(19歳)
1軍通算1試合0勝0敗0セーブ 防御率15.00
 履正社高から2016年のドラフト1位で入団。ルーキーイヤーはキャンプで左内転筋の故障で出遅れ。その後も左肘痛などがあり怪我に悩まされた1年となった。8月にイースタンリーグで初登板。9月30日の中日戦で1軍初登板初先発を果たした。イースタン選抜として参加したアジアウインターリーグでは8試合に投げて1勝1セーブ、防御率1.17と好成績をマークしている。

○蔵本治孝投手(22歳、新人)
 神戸国際大附属から岡山商科大を経てドラフト3位でヤクルトに入団したルーキー右腕。高校時代は外野手でベンチ外だったが、岡山商科大で中学以来となる投手に再転向し、能力が開花した。身長185センチ、体重95キロと恵まれた体格を誇り、ストレートの最速は151キロをマークする本格派右腕で、リリーフ陣の一角を担う存在として期待されている。

○梅野雄吾(19歳)
1軍通算2試合0勝1敗0セーブ 防御率6.75
 九産大九産高から2016年のドラフト3位でヤクルトに入団した2年目右腕。最速154キロを誇り、ルーキーイヤーの2017年はイースタンリーグで15試合に投げて1勝3敗、防御率3.32の成績を残した。8月9日のDeNA戦では1軍初登板初先発を果たし、1年目は2試合に先発した。将来のローテ候補として期待されている将来性溢れる投手である。

○沼田拓巳(23歳、新人)
 大垣日大高から名古屋産業大へ進んだが、大学を中退。クラブチームのエディオン愛工大OB BLITZを経て、2013年9月にドジャースとマイナー契約を結んだ。2015年6月に自由契約となり、7月には独立リーグの群馬ダイヤモンドペガサス、2017年から石川ミリオンスターズに移籍し、ドラフト8位でヤクルトが指名。ストレートは最速155キロを誇り、1軍キャンプに抜擢された。

新人の松本、2年目の古賀と若い捕手2人も1軍キャンプに抜擢

○松本直樹捕手(24歳、新人)
 丸亀高から立教大、西濃運輸を経てドラフト7位で指名された守備面を評価される捕手。強肩を武器とした二塁へのスローイングが武器。チームには中村悠平という正捕手がいるが、中村に続く存在、そして中村を脅かす存在として期待したいところだ。

○古賀優大捕手(19歳)
1軍出場なし
 明徳義塾高からドラフト5位で入団した2年目の捕手。高校3年の夏には甲子園でベスト4に進出している。ルーキーイヤーは1軍昇格こそあったが、出場機会はなし。イースタンリーグでは62試合に出場して159打数33安打1本塁打21打点をマークしている。アジアウインターリーグでも16試合に出場。打撃面には課題を残すが、1軍キャンプに抜擢された。

○宮本丈内野手(22歳、新人)
 履正社高から奈良学園大を経てドラフト6位でヤクルト入りした、侍ジャパン大学代表にも選ばれた内野手。ノーステップでの独特の打ち方ながら、2017年のユニバーシアードでは打率.375をマークしている。手薄な内野陣に割って入る存在となれるだろうか。

○塩見泰隆外野手(24歳、新人)
 武相高から帝京大を経てJX-ENEOSに進み、ドラフト4位でヤクルトに入団。50メートル6秒0の俊足を生かした走塁が武器の即戦力外野手だ。一桁背番号となる「9」を与えられたのも、球団からの期待の証か。1年目から外野の定位置争いに食い込むことに期待されている。

(Full-Count編集部)

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