高卒2年目コンビ、左右の即戦力投手…オリックス1軍キャンプ抜擢の若手

春季キャンプ1軍スタートのK-鈴木【写真:編集部】

田嶋は最速152キロの即戦力左腕、長身から151キロのK-鈴木

 2018年のプロ野球シーズン到来が目前に迫ってきた。各球団が一斉にキャンプをスタートさせる2月1日まで、あと数日。プロ野球ファンの心躍る季節が、いよいよやってくる。

「がんばろう神戸」を掲げた1996年にリーグ制覇、日本一になって以来、21年間ペナントから遠ざかっているオリックス。2014年にソフトバンクと優勝争いを繰り広げたが、その後は3年連続Bクラスと低迷している。

 昨年は序盤こそAクラス争いを演じたが、4月後半に4番のロメロが左膝の故障で登録を抹消されると徐々に勢いを失い、最終的には4位に終わった。立て直しを図るチームはオフに常勝軍団・ソフトバンクの打撃陣を支えた藤井康雄、中日から高山郁夫両コーチを招聘。投打でチームの再建を進めている。

 オリックスの春季キャンプは1、2軍共に宮崎県にある宮崎市清武総合運動公園で行われる。1軍が使用するSOKKENスタジアム、2軍が使用する清武第2野球場は目と鼻の先にあるほどの距離にあり、2軍選手にとっては近くて遠い1軍とも言える。福良監督は「今年は例年以上に競争に期待できる」と口にしており、熾烈なポジション争いになるのは間違いない。即戦力候補の新人4人が1軍スタートになるなど見どころの多いキャンプになりそうだ。ここでは、オリックスの1軍キャンプに抜擢された期待の若手(1軍出場10試合未満)をピックアップしていこう。

◯田嶋大樹投手(21歳、新人)
 佐野日大高からJR東日本と渡り、ドラフト1位でオリックスに指名された社会人ナンバーワン左腕。高校時代からプロの注目を集め、スリークオーターから投じる最速152キロの直球に切れ味鋭いスライダーが武器だ。先発ローテ入りに期待がかかる。新人合同自主トレの終盤は微熱で練習を欠席していたが、問題はなく1軍スタートを迎える。

◯K-鈴木投手(23歳、新人)
 千葉明徳高、国際武道大、日立製作所を経て、ドラフト2位で入団したルーキー右腕。チームには同姓同名の読みを持つ鈴木昂平内野手がいたため、球団から登録名を「K-鈴木」にすることを打診され快諾した。身長186センチの長身から投じる、角度のある最速151キロの直球が最大の武器。

◯福田周平内野手(25歳、新人)
 広陵高、明大、NTT東日本と渡りドラフト3位でオリックス入りした右投左打のルーキー。身長169センチと小柄ながら広角に打ち分けるシュアな打撃と、内野ならどこでも守れる器用さを兼ね備えている。昨季は正遊撃手の安達が潰瘍性大腸炎を再燃するなど二遊間が手薄なチームだけにアピール次第では開幕1軍の可能性も十分にある。

◯山足達也内野手(24歳、新人)
 大阪桐蔭高、立命大、Honda鈴鹿を経て、ドラフト8位でオリックスに指名された50メートル5秒8を誇る快足ルーキー。昨年のチーム盗塁数は12球団最少の「33」に終わっただけに“足のスペシャリスト”候補として1軍に抜擢された。

高卒1年目で初勝利の山本、山崎は潜在能力の高い189センチ右腕

◯山本由伸投手(19歳)
1軍通算5試合1勝1敗、防御率5.32
 都城高から2016年にドラフト4位で入団。ルーキーイヤーの昨年は高卒新人ながら8月20日のロッテ戦でプロ初登板初先発を果たすと、同31日の同戦にも先発して5回2失点でプロ初勝利を挙げた。150キロを超す直球に度胸満点のマウンドさばきを見せる高卒2年目。体力面の強化が課題だが、先発ローテ入りの可能性は十分にある。

◯山崎颯一郎投手(19歳)
1軍出場なし
 敦賀気比高から2016年にドラフト6位で入団。189センチ、80キロと細身だが高校時代から素材の良さは高く評価されていた右腕。昨季2軍で6試合に投げて2勝1敗、防御率4.63の成績を残した。昨秋のキャンプでは首脳陣から最速149キロの直球とカーブを高く評価されており、1軍抜擢となった。

◯鈴木優投手(20歳)
1軍通算2試合0勝0敗、防御率37.80
 雪谷高から2014年にドラフト9位で入団。ルーキーイヤーの15年に1軍デビューを果たしたが、昨季は1軍出場はなし。それでも2軍では中継ぎとして31試合1勝0敗、防御率2.43と結果を残し、オフにはアジア・ウインターリーグに参加。最速152キロを計測するなど成長著しい右腕が1軍定着を狙っている。

◯飯田大祐捕手(27歳)
1軍通算2試合3打数0安打、打率.000
 Honda鈴鹿から2016年にドラフト7位で入団した2年目捕手。26歳でプロ入りしたオールドルーキーは昨シーズンの終盤に1軍デビュー。昨季は1軍キャンプに同行しながらも、3月の教育リーグで右手中指、人差し指を骨折して前半戦を棒に振っただけに、今キャンプは並々ならぬ思いで挑む。

(上岡真里江 / Marie Kamioka)

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