藤沢市 「タブレット議会」始まる 経費削減や効率化視野に 藤沢市

導入予定のタブレット端末

 藤沢市議会は2月定例会から、タブレット端末を議員に1台ずつ貸与し、運用を開始する。今までは全て印刷物で運用されてきた議会資料がタブレット端末を介して各議員に伝達共有される。これにより、ペーパーレス化による経費削減や資料管理といった作業の効率化、情報伝達の迅速化、議会資料を整理・配布する際に関わっていた職員の負担軽減などの効果が期待できるという。

 使用される端末は12・9インチのiPadPro。2月定例会からおよそ1年間を試行期間とし、従来の印刷資料と併用して運用を実施。施行における意見などを基に、今後の運用方法などを検証する。

2月定例会から1年試行

 今回の取り組みは2011年8月から始まった議会改革の一環。15年10月には議会へのICT(情報通信技術)導入を検討するため、市議会改革検討会の中でICT検討部会を設置。同部会を主体として導入へ向けた取り組みが進められてきた。

 これまでにタブレット端末が導入されてきた寒川町と逗子市を視察先として、同部会の市議団が訪問。運用コストや方法、情報保護の安全性、議員からの意見を基に調査と検討を重ね、15年度にタブレット導入を、16年度には運用方法を決定した。

 今回導入されたタブレット端末には他市町議会の運用事例を参考に、藤沢市議会では検討の結果、「moreNOTE」という文書共有システムアプリを採用。議会や委員会ごとにスケジュールや資料が管理・整理され、どこでも資料の確認が可能。また、議員間では会派や有志での資料共有グループを作成することもでき、より活発な議会運営が期待されている。

 同検討部会が16年2月にまとめた調査報告書によると、市議会で1年間に使用される紙資源は概算で約21万枚、約270万円。ペーパーレス化に伴い、コピー機の稼働率が大幅に減少することで印刷コストも削減されることが、他市の運用実績から示されている。また二酸化炭素排出量にも言及し、環境負担の低減にも効果が見込めるとしている。

 さらに議会事務局職員の作業時間は年間で1職員あたり70・5時間短縮され、約30万円の労務コスト削減なども図れるという。

 タブレット端末を導入する2月定例会は、同月15日から始まる。

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