東鉄連、首都圏を洪水被害から守る放水路・巨大地下土木施設を見学 40人が参加

 首都圏の水害を防ぎ、地域の安全・安心を守る巨大な地下施設「首都圏外郭放水路」がある。この見学会を、東京鉄鋼販売業連合会(東鉄連、会長・齊藤榮一栄鋼管社長)が開催し、会員企業から40人近くが参集した。

 中川、倉松川、大落古利根川といった中小河川の洪水を地下に取り込んで江戸川に流すこの放水路は、地底50メートルの位置に全長6・3キロメートルにおよぶ世界最大級の地下放水路。日本の土木技術の粋を結集し、足かけ13年の歳月をかけて完成した。

 「首都圏外郭放水路」は、大落古利根川から幸松川、倉松川、中川、第18水路そして江戸川までを横断する。各河川には「立坑」(第1~第5)が設置され、洪水の際にはここに水が流入するしくみ。立坑をつなぐトンネルは内径約10メートル。最大で毎秒200立方メートルの洪水を流すことが可能だ。

 一行は、一般見学できる首都圏外郭放水路庄和排水機場内「龍Q館」(埼玉県春日部市)を訪問。館内で同放水路建設に関する歴史的経緯やその社会的存在意義、特長や仕組みに関するレクチャーを受けた後、実際に「調圧水槽」を見学した。

 調圧水槽は、地下トンネルからの流水の勢いを緩めてスムーズに江戸川に水を流す機能。長さ177メートル、幅78メートル、高さ18メートルの巨大な水槽には幅2メートル・長さ7メートル・高さ18メートル・重さ500トンの柱が59本あり、その光景は地下神殿を思わせる。

 見学終了後は希望者で懇親会に移行。地元逸品のうなぎ割烹で親睦を深めた。

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