《東京#CODE》#ギャラ飲みで 得する人、損する人

illustration: Shogo Sekine

 ギャラ飲み、って知っていますか? この秋くらいに21歳の女子とパパ活について話しているときでした。「パパ活女子、意外といますよ」と。パパ活とは、昔で言うところの援助交際。一定額をもらって"パパ"になってくれる年上のおじさんと、つきあうというものであります。昭和の頃から年上のおじさまから援助をもらう女子というのはいたので、これはまあ理解できます。「でも、最近はもっと気軽に"ギャラ飲み"というのもあるんですよ」と。ぎゃ、ギャラのみ?? ギャルではなく、ギャラ。つまり1回飲みに行くのに、誘った男性が一定額を女の子に支払う、ということらしい。「相場は大体1回1万円から3万円くらいですね。もちろんご飯代は別で」

 以前、夜の西麻布あたりのバーで一度みかけた"港区女子"。確かに彼女たちはおじさんたち(多分その場が初対面)と飲んで、帰りぎわに「はいタクシー代」と、そっと折りたたんだ1万円を渡されておりました。また、同様のものに相席居酒屋というものがありますが、こちらも店で男性とマッチングした女子がゴハンをおごってもらえるという仕組み。

 これまでのギャラ飲みは手配師のような人がいるのが通常だったらしく、「今度飲みにいくんだけどだれか可愛い子いない?」と依頼を受けて、その日程が合う子をピックアップしていました。謝礼の金額は、女子の可愛さレベルに比例します。が、最近では、このニーズを繋げるアプリや公式LINEアカウントが続々と登場しているというのです。男性側にすると、キャバクラで高額なフルーツ盛りを頼んで素人同然のキャバ嬢が隣に座るより、リアル素人の女の子と美味しいものを食べに行った方がコスパがいい。うまくいけば(!)ごはんの後の期待値も…。当のLINEアカウントを見ると、登録には一定のハードルがあります。年齢制限は20〜26歳(苦笑)、プロフィールの写真は加工なし(笑)、などなど。男子サイドはFacebookとの連携がマストのところが多いから、まあ、身元をチェックしているということでしょう。いろいろ調べると、相場は女子の謝礼は1時間で大体4千円弱。男性の支払いはスタンダードで1時間5千円前後。プレミアムコースというものもあり、こちらは8千円くらい。この差は女子のレベルの差(怒)。高いと思うのか、安いと思うのか。女子にとってはゴハン代が浮いて、しかも"ギャラ"がもらえる。男子にとっても、男だらけで飲むより、そりゃあ、可愛い女子が一緒にいたら楽しいはず。一応お互い楽しく飲めるようにルールはあるけど、もちろん絶対安全ではないんです!SNSの進化は大きくふたつのことをもたらしました。ひとつは個人力がアップしたこと。ふたつめは個人が評価され、それが晒されるということ。ギャラ飲みに慣れた女の子は半分プロになります。つまり、キャバ嬢の野良化。お化粧代も衣装代も高く、ノルマがきつい水商売よりもフリーランスギャラ飲み嬢の方が気楽。いいお小遣い稼ぎになる。しかし! もちろん男女とも、危険はあります。  

 コスパ重視時代が生んだ新しいマッチングは、プロの不在をもたらします。今まで以上にキャバ嬢はプロとしての接客テクニックが必要とされるでしょう。結局得するのは誰か、損するのは誰か? を考えなくちゃね。

THIS MONTH'S CODE

#港区女子

「東京カレンダー」が流行らせた(?)港区あたりに生息する経営者お金持ち男子をターゲットに食事をおごってもらったり旅行に行ったりする女子の総称。

#年齢制限は20〜26歳

これは結構リアルであり、かなり女性蔑視になるというびみょーなライン。こういうところでも30代アッパー女子を排除するのは問題視されるのでは…?

#結局得するのは誰か、損するのは誰か?

ギャラ飲みをした人が、オオカミに豹変することもストーカーになることもある。利用する女子は特に注意が必要であります。

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